【ツイステ】お願いだから関わらないで【フロイド】

73話 ジェイドside ページ23

ジェイドside





｢お願いだから、もう私に関わらないで！！！｣




ラウンジに響き渡るAさんの声



急いでその場へ向かえば



泣きそうな顔で走り去るAさんと、目を見開き涙を流す片割れの姿があった。



｢フロイド、一体何があったんです！｣



｢…………｣



答えない彼の代わりに、アズールが答える



｢フロイドは振られたんですよ……Aさんに。｣


それにしてはAさんは泣きそうな顔をしていた。


きっと彼女なりに何かあるんだろう……。




僕は急いでAさんを追いかける



そして鏡舎裏でAさんを見つけた



｢Aさん……｣



そう呼びかけると顔を上げたAさんはどこかスッキリした顔をしていた。




｢ジェイド、ごめんなさい……お店に迷惑をかけてしまって……。｣



切なげに微笑む彼女の隣に座り話をする



｢……Aさんはフロイドのことがお嫌いで？｣



｢…………ううん。ほんとはね好き。｣


一瞬躊躇った彼女が本音を話す



やはり。と思ったと同時に疑問が湧いた


｢ならどうして、｣




｢だって私はいつか帰らなきゃ行けなくなるかもしれない、だから……

…………好きな人には幸せになって欲しいから。｣


ニコッと笑う彼女


それは心からの言葉で、胸が苦しくなった。


彼女は異世界の人間で、いつかは帰る日が来る……。

そんな悲しい別れ……確かに耐えられない。



｢そうですか…。｣



｢ごめんね。親友のジェイドにはなんでも話しちゃう…。｣


そう困ったように笑うAさん。



｢いいえ。話してくれて嬉しいです……。｣



僕はフロイドが羨ましいです。



僕は、Aさんに、恋をしている。



最初はただ面白い人だった。



だけどそれはいつの日からか好きな人に変わった。



興味は好意に変わった




『親友』彼女はそう言う。その言葉が僕を苦しめているとも知らずに…。


僕がフロイドのように素直だったら、少しは違ったのかもしれない。



だけど僕は臆病だから。



『僕は貴方と一緒なら……異世界でも生きていけるのに……』



この想いは貴方には届かない……。



『貴女が好きです。Aさん。』

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