【鬼滅の刃】君がため《短編集》

時透無一郎『優しさのその裏に』(真相編) ページ24

時透side


僕が12歳の時だった。


ずっと大好きだったAが結婚した。


幸せになってくれるんならそれでいいやって思ってた。



5年後、帰ってきたAから、あの事を聞くまでは。



後継の為だけに結婚して、息子が産まれた途端、どうでもいいなんて…ほんと酷い話だと思った。



まぁ帰ってきた時点で何となくそうじゃないかって思った。



だって、本当に大事だったなら、鬼刈りなんてそんな危ない仕事に復帰させないもん。



大方息子が大きくなって、母親が必要ではなくなったからだろう。



Aは強がりで優しいから、ずっと1人で耐えてきたんだろうなって思うと、胸が苦しかった。



せめて、僕にだけでも頼って欲しかったな…



涙を流しながら微笑む君を見て思わず本音が漏れる



時透「あーあ。僕だったら君にこんな顔させないのに…。

ねえ、僕と一緒に、駆け落ちしようよ。」




成功するなんて初めから思ってないけど、




貴「時透君…。私には例え仮面であったとしても、旦那と子供が居るから…。ごめんね…。」


もちろん答えはNOだった。



時透「分かった。だけど僕は君の味方だからね。」



この時、僕の中で黒い何かがこう言った



旦那と子供がいるから駄目なら、



全部殺しちゃえば？



って

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