□□□ ページ23
「………おまえさ」
「………？？」
助手席で、うるうるしている大型犬。
瞬きしたらもうどばーっと出てしまいそうなほどの涙を溜めて口をぎゅーっとひとつに結んで、
俺より大きいのに俺より小さくなって、じーっとこっちを見てる。
「……自分で言ったんじゃん」
「……なにを？？」
「さとしの五つの約束」
『だめ！！いっちばんだいじなことわすれてる！！』
いつかのあの日。
そう言って、その辺にあった白い画用紙に書いてたおふざけ半分のさとしの約束に、
一人真剣に、大きな声を出したこのひと。
俺が持ってたマジック取り上げて、むんっとした口で真剣に何かを書き始め、
よし！！とマジックを置いたそこに書かれていたのは、
『かなしいときは、なきましょう』
……いや漢字使えや小学1年生かよなんてツッコんだりしてたけど、
このひとがソレを書いた瞬間、
さとしの五つの約束は、ホンモノに、なった。
『かなしかったら泣かなきゃダメ！！
涙は心の汗なんだから！！泣かなかったらかっぴかぴになっちゃうよ？？』
………逆じゃね？
って思ったのは一瞬で。
このひとの言いたいことは、
みんなすぐ、分かった。
『泣きたいときはいっぱい泣いて、心をお水でいっぱいにしとかなきゃ！！
お水なくなったら泣き方忘れちゃう！！嬉しいときにも泣けなくなっちゃう！！』
「書いた本人が実行しないとかってさぁ……条約不履行で破棄にするよ？」
「ふり？こう？なにそれ分かんない」
「ってわけで強制執行」
「え？なに？え？？」
わたわたしてるこのひとをほっといて、
車線を変更して都心へと向かっていた高速道路を降り、反対側へと切ったハンドル。
「どこ行くの？」
「あそこ」
「どそこ？？」
「あそこ」
茜色に染まる空のもと、
ギンギラに輝く太陽に向かって走る車。
「なにそれわっかんない！！」
「......っさいな」
となりでぎゃーぎゃー言ってるのも知らん顔で俺は、
灰色の四角い高層ビル群に背を向け、アクセルを踏み続けた。
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あっちゃん(プロフ) - 黒衣さん。mioちゃん。たくさんポチしたい！いいね？ずーっと押していたいよ。 (2019年7月8日 11時) (
レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - さゆさん» コメントありがとうです^^ お読み頂けて嬉しいです。私もmioさんと同じくイイコじゃないので、言霊を信じて思いの丈を言葉に乗せたいと頑張ってます。沢山もらった元気と勇気と幸せ、少しでも私達から彼らに返したいですね。彼らの笑顔は私達の原動力だし！(笑) (2019年4月27日 23時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます。彼らの優しさに温かさに胸一杯になり涙しました。私も強くあらねばと思いました。沢山沢山、元気と勇気と幸せをもらったから、そんな彼らを応援したいと思います。やっぱり好きな人には笑顔でいてほしいから。 (2019年4月16日 10時) (レス) id: b39ec88e32 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうです^^ レス遅くなりまして(汗) 楽しんで頂けたようで嬉しいです、ありがとう…って仕事中かい！(笑) でも、何度も読んで頂けたのとても嬉しいです！でも良い子は真似しないように！(笑) これからも楽しんで頂けるように頑張りますね！ (2019年3月30日 23時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のりさん» コメントありがとうです^^ レス遅くなりました(汗) 少し落ち着いたのですね^^ 緩む事も大事ですよね、爆発する前に。そして後悔しないようにしたい人発見！(笑) 反省はいくらでもして良いと思うんです、後悔したって取り戻せないし。そしてシンパシー！(笑) (2019年3月30日 23時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みおくろえ
x他1人 | 作成日時：2019年2月7日 23時
