39．神様に約束 ページ39
「…手とか初めて繋ぐよな」
「うん」
「Aと手繋ぐなんて変な感じするわ」
「うん」
「うん、しか言えなくなったん？」
「うん、あ、いや、なんか緊張しちゃって」
ちらっと顔を見るとあまりに優しい顔をして微笑むからなんか変な感じだ。
なんというかこういう動物を見る目というか慈愛というかそんな感情が乗った表情。
思い返してみると、汐恩は今までもそんな顔をして私を見ることがたまにあった気がする。気がするだけだけど。
そういう顔されると、どうしたらいいかわからなくなる。
「なあ、俺のどこ好きになったん？」
「…わかんない」
「わかんないってなに？！」
「じゃあ汐恩は？」
「んー、わからんわ」
「汐恩だってわかんないんじゃん！」
ふはははっていつもの顔で笑われるとちょっとだけ緊張がほぐれた気がした。
もうそろそろ駅に着くし手を離したい気もするけど、
何となく離れがたい気もする。
会うと決めてからお店に着いてからも
気持ちを言うまでもしていた緊張とも違う。
心の奥をこしょこしょとくすぐられるような、
そんな嫌ではない感覚。
「でもめっちゃ好き」
「はあ？！」
急な言葉に驚いて大きな声を出すと、
なんやねんその声と顔をくしゃくしゃにして笑う汐恩。
なんだこいつ、急に素直になるじゃん、やめてよ。
自分で勝手に言っておいて顔真っ赤にしないでよ。
「急にやめてよ、心臓に悪いじゃん」
「大事なことは言わないとあかんって瑠姫くんが言っとった」
「あ〜白岩大先生のありがたいお言葉」
「もうすぐ駅やな」
「そうだね」
「帰りたくないわ」
「明日も練習でしょ」
「やっぱ家まで送る」
「え！平気だよ」
「いや送る」
「今まで一人で帰ってたし」
「やから、今日からはちゃんと送る」
汐恩は家に着くまで手を離すことはなかった。
触れた手の温もりから汐恩の気持ちが伝わってくるようで胸がいっぱいになってなんだか泣きそうな気持ちになった。
「送ってくれてありがとう」
「瑠姫くんには俺から話すわ」
「ありがとう」
「じゃあまた」
「またね」
「あのさ、きっと俺はいつまでもこんなやし、あほなことばっかりするし。でもずっと傍におってね」
「うん、私だってダメなとこ多いし、お互い様だよ」
「おん、…じゃあまた」
「またね」
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ふふ(プロフ) - りんさん» りんさんはじめまして！コメントありがとうございます☻地獄みたいな話書きます！気長にお待ちください❤︎（笑） (2021年11月20日 0時) (
レス) @page44 id: e6fec39ceb (このIDを非表示/違反報告)
りん - はじめまして！作品とっても面白かったのでコメントしました。次回大学生の地獄みたいな作品希望です（笑） (2021年11月18日 23時) (レス) @page44 id: 1f8c0c6745 (このIDを非表示/違反報告)
ふふ(プロフ) - みぺさん» みぺさんありがとうございます☻たくさん私のお話読んでくれているようで嬉しいです！😭 (2021年11月18日 21時) (レス) id: e6fec39ceb (このIDを非表示/違反報告)
ふふ(プロフ) - ぺいんさん» ぺいんさんありがとうございます☻分かってくれる人がいた！と思って嬉しかったです〜！Funny bunnyはほんとに名曲ですよね…！ (2021年11月18日 21時) (レス) id: e6fec39ceb (このIDを非表示/違反報告)
ふふ(プロフ) - 萌萌さん» 萌萌さん☻いつもありがとうございます！期待に応えられたでしょうか…また頑張って書きますのでこれからもぜひよろしくお願いします！ (2021年11月18日 21時) (レス) id: e6fec39ceb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふふ | 作成日時：2021年7月15日 14時
