30．あどけない話 ページ30
最初に瑠姫くんを見た時の衝撃はすごかった。
汐恩も綺麗な顔だけど汐恩はなんかチワワみたいで、
瑠姫くんは綺麗なパーツが主張する目鼻立ちのしっかりした顔立ち。
初めて会った時のマスクと帽子の間から覗く鋭い視線をよく覚えている。
汐恩は目元で表情が出るタイプだけど、
瑠姫くんは口元で表情が出るタイプ。
間接照明に照らされた顔の彫りが深い。
フォークを持つ丸い指先。
観察するかのようにまじまじと顔を見てると、
瑠姫くんは照れたように
「そんなに見られたら困る」と笑った。
その顔もだいぶ見慣れたように感じる。
「Aちゃんは汐恩の話ばっかりするね」
「あ、ごめんなさい」
「え、なんで謝るの？」
「つまんなかったかなと思って」
「そんなことないよ、面白いよ」
「そう？じゃあなんの話しようかな」
思い返せば汐恩の出会いから今までの話ばっかりしていた。
二人でいるのにいない人の話をするのはたしかに失礼だな。
いつも三人でいるせいか何を話せばいいのかわかんない。
共通の話題を探してみるけど
何の話をしても結局は汐恩の話になってしまう。
瑠姫くんのこと知りたいとは言ったけど、
まだどこまで踏み込んでいいのか模索しているところ。
「そういえば就活どうなったの」
「あー、一応内定は貰ってどうしようか悩んでるところですかね」
「え！おめでとう！何に悩んでるの」
「これでいいのかな〜って」
「Aちゃんは真面目だね。一回やってみたらわかるんじゃない？やっぱり違ったなと思ったらやめればいいんだし」
「瑠姫くんって意外とポジティブなんですね」
瑠姫くんは私のことを真面目だというけど、そんなことない。
小さい頃は夢を見なさいっていうくせに、大人になると現実を見なさいという。現実ってなに？生きてるんだから何を見てようとそれが現実じゃないの？
ってどうしても思ってしまう。
現実と夢の折り合いがいつまで経ってもつけられない私は子供なだけ。
汐恩ならこんな私になんていうんだろう、
ってまた汐恩の話になってしまった。
あれからずっと私は汐恩のことばかりを考えている気がする。
送ったラインにはまだ返信が来ない。
「次はAちゃんの行きたいお店行こうよ」
「うーん、考えておきます」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 568人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「JO1」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふふ(プロフ) - りんさん» りんさんはじめまして！コメントありがとうございます☻地獄みたいな話書きます！気長にお待ちください❤︎（笑） (2021年11月20日 0時) (
レス) @page44 id: e6fec39ceb (このIDを非表示/違反報告)
りん - はじめまして！作品とっても面白かったのでコメントしました。次回大学生の地獄みたいな作品希望です（笑） (2021年11月18日 23時) (レス) @page44 id: 1f8c0c6745 (このIDを非表示/違反報告)
ふふ(プロフ) - みぺさん» みぺさんありがとうございます☻たくさん私のお話読んでくれているようで嬉しいです！😭 (2021年11月18日 21時) (レス) id: e6fec39ceb (このIDを非表示/違反報告)
ふふ(プロフ) - ぺいんさん» ぺいんさんありがとうございます☻分かってくれる人がいた！と思って嬉しかったです〜！Funny bunnyはほんとに名曲ですよね…！ (2021年11月18日 21時) (レス) id: e6fec39ceb (このIDを非表示/違反報告)
ふふ(プロフ) - 萌萌さん» 萌萌さん☻いつもありがとうございます！期待に応えられたでしょうか…また頑張って書きますのでこれからもぜひよろしくお願いします！ (2021年11月18日 21時) (レス) id: e6fec39ceb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふふ | 作成日時：2021年7月15日 14時
