照らすために息をしている (ページ29)

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28．濁ることもない恋ページ29

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「まめちゃん、めっちゃいいやつやん！」
「純喜くん声デカい！」
「二人ともうるさいっす」

私の隣に純喜くん、その前にまめちゃん、その隣に景瑚。

何度考えても不思議なメンバー。

さっきご飯を食べたと言ったのにまた食べてる。

男の子の胃袋ってブラックホールかなんかだと思う。

お肉と一緒にお酒を飲んだ景瑚と純喜くんがまめちゃんに絡む。

未成年のまめちゃんは迷惑そうな顔をしながらも楽しそうに笑っている。

景瑚が無理やり連れてきたから
嫌だったかなと心配だったから安心した。

こんな時間に食べたら太るなんて考えながら網を眺めていると、

「Aちゃんタン好きやんな」

と純喜くんがほいほいと私の取り皿にお肉を入れていく。

うん、すき、純喜くんが。

「まめちゃんほんまにありがとう」
「また絶対にごはん行こうね！」
「二人とは絶対に行きません」
「何でそんなこと言うの？！」
「Aちゃんと二人なんて許さんけど？！」

「二人ともうるさいな、まめちゃんまたバイトでね」

酔っ払った景瑚に肩を組まれて電車に乗るまめちゃんを見送って、純喜くんと二人きり。

終電間際の電車は混雑している。

扉の前に立つ私を壁ドンをするみたいな形で人混みから守ってくれる。

こんな人ごみの中、純喜くんの香りに包まれていると抱きしめられているみたいでドキドキする。

一番落ち着いて一番ドキドキする香り。

この香りが好きで同じ柔軟剤を使ってみたけど、
全く同じにはならなかった。

きっと純喜くんの元々の香りとかそういうのがあるんだろうな。

「まめちゃんと仲良くなれたみたいで良かったね」
「なあ～、楽しかった」
「またみんなでご飯行こうね」
「2人っきりはあかんからな」

「まめちゃんと仲良くしてて嫉妬した？」
「そりゃするやろ」

くちびるを尖らせた顔がかわいい。

大体Aちゃんは隙が多すぎんねん
と小言が始まったので、

見てと言ってさっきまめちゃんから来たメッセージを見せる。

まめちゃん今日はありがとう!
急にごめんね

全然平気ですよ!
Aさんの友達と彼氏さんいい人ですね
またみんなでご飯いきましょう

もうこんなん見せられたらなんも言えんやん

とふにゃふにゃの笑顔を見せる。

ずるいのは私のほうかもしれない。

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