照らすために息をしている (ページ19)

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18．ダイヤモンド酸素ページ19

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江ノ島行こ～
純喜くんと行きなよ
純喜くんもいるよん
三人で?
楽しいじゃん
俺だって忙しいんだよ
じゃあいいよ
行くけど

行くんかい。そんで一番楽しんでるのは景瑚なんかい。

薄い色のデニムの裾が濡れてそこだけ色が変わっている。
お気に入りのたっかいデニムが汚れちゃってるけどいいのかな。

純喜くんが最近景瑚が寂しそうだから三人でどっか行かへん？とか言うから誘ってあげた。付き合ってからは景瑚なりに気を遣ってくれているのか、誘っても今日はやめとくって断わられることも多かった。

そんな変な気を遣わなくてもいいのにね。

景瑚は優しい。

「Aちゃんは入らんの？」
「大丈夫！見てる！」
「純喜くん、A泳げないんだよ」
「泳げるもん！！！！」

日傘をさして砂浜で写真を撮っていた私に嘘つけと言う景瑚とそれを見て笑う純喜くん。

そもそも水が怖くなったのは、小学生の頃みんなで行ったプールで景瑚に深いほう入ってみようよと誘われてそこで溺れかけたからだ。景瑚はそんなこと絶対忘れている。いつか沈める。

ふざけて水をかけあっていた二人はいつの間にか本気になってしまったようで全身びしょぬれになっていた。

景瑚のデニムも純喜くんの水色のTシャツも色が変わっている。

「なにしてんの？大人なんだよ、わたしたち」
「だって純喜くんが！」
「は？景瑚だって！」
「分かったって、どっちも悪いね」

男の子って一生馬鹿なのかな。

純喜くんはわたしといるときはそこまで騒いだりしないのに(あたり前か)景瑚といると本当に楽しそうでちょっとうらやましい。

焼けこげそうなほど眩しい太陽の下
ずぶ濡れになった服もお構いなしに笑い合う二人。

このままずっととはいかないかもしれないけど、三人で仲良くしていたいな。

照りつける日差しの下でそう願った。

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