照らすために息をしている (ページ1)

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１．芽吹いた胸の底を撫でてよページ1

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「昼、何食べる？」

と眠そうに話すのは入学式の日に仲良くなった佐藤景瑚。
いつ見ても背が高くてモデルみたいな顔をしているなと思う。

二限の中国語終わり。一時間半たっぷりと寝てもまだ眠そうだ。

その隣を歩く景瑚の幼なじみ、Aちゃん。
小学校から一緒で高校から仲良くなった、腐れ縁だよと言っていた。

Aちゃんの友達がみんなフランス語行っちゃったから
一緒に火曜日二限を受けてお昼ごはんを食べるのがいつからか日常になった。

「今日は絶対ラーメンがいい！！！」

「俺はハンバーガーがいい！！！」

「じゃあラーメンやな」

「純喜くんっていっつもAの味方するよね」

不満気な顔をする景瑚がこっちに意味深な目線を向けてくる。なんやねん。

最初から景瑚には俺の気持ちはばればれだった。

自分でも単純だと思うけど、

「純喜くんっておもしろいね」

って笑った顔を見た時から好きだと思った。

出会った頃に一度、景瑚と付き合ってんの？と聞いたら心底嫌そうな顔をした。

Aちゃんには同じ高校の同級生で瑠姫くんっていう彼氏がいるらしい。

好きになった時には失恋が決まっていたのに、
めっちゃイケメンなんだよって話す顔もかわいくて困ってしまった。

自分は心底どうしようもないらしい。

景瑚から教えてもらったAちゃんのインスタ。

どの写真も可愛いけど、これ彼氏が撮ってんのかな。そうやろうな。

一枚だけ載っていたツーショット。
金髪で目がでかい整った顔。ほんまにめっちゃイケメンやった。

隣で笑う顔が見たことないくらい幸せそうな顔をしていて、キュッと少しだけ胸の奥が狭くなった気がした。

「まーた見てる。いい加減フォローすれば？」

「急にフォローされたら怖ない？」

「そんなことで悩みすぎだよ、きもいって」

「は！なんなん！まじで！まじめに悩んどんのに！」

最終的にフォローボタンは景瑚が押した。

1時間後くらいに純喜くん！フォローありがとうってDMが来ていた。

多分ちょっと浮いたと思う、嬉しすぎて。

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