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「…？」
何かの気配を感じて振り向いたけど、何も居なかった。気のせいかな、という心の声を信じて私はまた歩いていく。
「…主、悪い妖怪にとって何がいい獲物やと思います？」
ゾムがいきなり、本当に唐突に質問を投げかけた。いい獲物？悪い妖怪ってことは、悪さをするために都合のいい獲物ってことだよね。
「えっと……何も視えない人とか？」
妖怪が視えなかったりすると、急に憑依されても自分じゃ気付かないと思った。無意識の内に荒事を起こしてしまうかもしれないし。
「んじゃ、そういう人は……まあ気配くらいは感じるとして、どうするのが一番護身になると思いますか？」
視えない人の護身…
視えなかったら防ぎようがない気もする。だってどこにいるかも、誰かも分からないナニかに近付かれて、存在を意識できなかったら抵抗ができない。
苦い顔をする私を見て、ゾムは前を歩きながら少し真剣な顔をした。
「正解は、“恐怖心を捨てること”です」
「恐怖心？」
「…手短に話すとですね」
ざっざっと草の上を歩いていく。もう人の通る道は大分前に途切れていて、あとは私たちがいつも通る獣道だけになっていた。
「悪い妖怪達は、人が怖がる気持ちを感じると余計にちょっかいを出してくるんです。一番は恐怖をなくすことなんですが………それが無理でも、しっかり自分は保ってください」
声色が真剣になっていることに気付いた頃には、開けた草原っぽい場所に出ていた。すぐ後ろにはさっきまで歩いていた山がある。
「………帰りますよ。絶対に怖がっちゃ駄目ですからね」
「え、ちょ、待っ」
ひょいと持ち上げられたかと思えば、守るように抱き締められる形になった。胸板に顔を押さえられているため、目の前は影で真っ暗。
ゾムの回りに風が吹き出した後、すぐにゾムは空へと飛んだ。独特の浮遊感が私を襲ってくる。
「…っ…！？」
すると突然、ゾムの後ろあたりに何かを感じた。いや、視界は真っ暗だから何も見えない。感じる。気だ。さっき感じた妖怪の気だ。
それは物凄い勢いで私とゾムに近付いてくる。
「ゾム、う…しろ」
「絶対怖がったら駄目です！」
さらにぎゅっと抱き締められる。ゾムも気付いてたんだ。それであの話をしたんだ。
でも急速に迫り来るナニかが恐ろしくて、心臓の鼓動が早くなっている。冷や汗が流れる。
怖がっちゃだめなのに、手は震えて、殴られたみたいに心臓は痛んで、もう、動けない。
「主！！」
…い
………怖い
「………じ！…………！！！」
怖い…！！
私の意識は簡単に飛んでいった
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しまたけ(プロフ) - ワラビモチクイタイさん» 頑張ります…( ´_ゝ`) (2018年9月13日 7時) (
レス) id: 7881ae9fa9 (このIDを非表示/違反報告)
ワラビモチクイタイ(プロフ) - しまたけさん» ３曲も………頑張ってくださいねwww (2018年9月12日 23時) (レス) id: 648e2202a9 (このIDを非表示/違反報告)
しまたけ(プロフ) - ワラビモチクイタイさん» はっ!!いつも見てます(゜〇゜;)あと3曲も今週中に覚えなきゃなんです…頑張りまする (2018年9月12日 22時) (レス) id: 7881ae9fa9 (このIDを非表示/違反報告)
ワラビモチクイタイ(プロフ) - U.S.A難しいですよねwww更新楽しみにしております。 (2018年9月12日 22時) (レス) id: 648e2202a9 (このIDを非表示/違反報告)
しまたけ(プロフ) - 柑橘さん» 短編のネタで浮かんでから「これだけで終わらすのは勿体ないな…」と思っていたので正解でした！やった！ ちょっと勉強しなきゃなので更新遅めですが、お付き合い宜しくお願いします！ありがとうございました！ (2018年9月11日 22時) (レス) id: 97e2b18ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しまたけ | 作成日時：2018年9月9日 22時
