吸血鬼は音楽を好む【歌い手】 (ページ18)

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17:不思議な君ページ18

伊藤歌詞太郎side
Aちゃんは不思議だ。
朝とか昼休みは凄く眠そうだけど、放課後は結構元気な１つ年下の後輩。
妹みたいな感じ存在で守ってあげたくなる。
ピアノがとても上手で放課後は古い音楽室でAちゃんのピアノを聴いたり合わせて歌ったりするのがいつの間にか日常になってた。

何故か昼休みは俺の膝の上が定位置になっている。
Aちゃんは軽いから不安になるし餌付けしたくなる。

「Aちゃん、はいあーん」
「あー…」

パクリと弁当のおかずの卵焼きを躊躇わず食べてくれるAちゃん。

「ん、おいし…」

ふんわりと笑う。可愛い。
なつかれているとは思う。
でもまふ君は特別みたい。

「ふわぁあ…」
「食べたら眠くなった？」
「ん、」

目をこすりながらAちゃんが頷く。
ぽすっと俺に軽く寄り掛かるAちゃん。
もうこうなったら時間までAちゃんは寝る。
チラリとまふ君の方を見ればちょっと面白くない顔。

まふ君にとってもAちゃんは特別なんだと思う。
恋愛とかは分かんないけど、とりあえず特別同士。
他の女子とは明らかに違うAちゃん。
そらるさんもAちゃんの事を結構特別視してると思う。

君はとても不思議な子。
俺達を惹き付ける音奏でる不思議な子。