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16:嫉妬?独占欲? ページ17

そらるside
「……うざーい」

ボソリと名前が呟く。
ちなみに今は保健室。
俺は体育の日授業でサボりに来たらAがいた。
どうやら寝かせてくれない先生の授業らしく寝る為に保健室に来ていたらしい。

「うざいって何が?」
「教室で寝てると、まふ君に話し掛ける女子の声聞こえる」
「……ん?」

眠そうに目を伏せて、ゆったりと話す。

「そりゃあまふに女子の友達もいるからだろ」
「分かってる、でも喋り方が…」

あ、媚び売ってるって…?
まふモテるから仕方ない。

「私のなのに…」
「え、何が」
「私の友達なのに…」
「あ、うん、そうだな…?」
「友達じゃないただのクラスメイトが私の友達に来やすくベタベタ触んな、って思う」

A、それって独占欲だろ。

「私も触りたい…」
「え、」

嫉妬?え、嫉妬?
不機嫌そうにしながら持って来ていたらしい鞄から水筒を出す。

「A、それ血の匂いすんの気のせい?」
「血、入ってる」
「ちょっと事情話そうか」

〜説明中〜

病院で出た血液の廃棄物を貰ってると…

「そういえば、そらるさんはどうしてるの…?」
「時々つまむ程度で平気」
「そのつまみを聞いてるの」

ジト目で睨まれる。

「まふのは飲んだ事ないから安心しろ」
「そう」

目を逸らして水筒の中身を飲む。

「A」
「何?」

赤い目がこっちを向く。
血飲んだから吸血鬼としての顔があらわになってる。

「何で俺の血は飲まないワケ?」
「友達は誰であれ傷付けたくないから」
「まふのは月1で飲むのに?」
「まだ1回しか飲んでない」
「は?結局飲んでないの?」
「殺しそうで怖い」

昔の記憶をフル回転で甦らせる。
この体の前の記憶。
真っ白な死体がAの足元に転がってる光景。
何度も何度も見た事があった。
Aに牙を突き立てられて吸血された人間が生きてるところ見た事ない。

「A、もしかして限度を知らないのか?」
「うん」
「……練習がてらに、俺の吸うか?危なくなったら止めるから」
「うーん…今すぐには決めらんない。寝るついでに考えとく」
「おいこら」

マイペース過ぎるだろ…

「まぁ良いや。俺も寝る」

17:不思議な君→←15:おやつ



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作成日時:2017年9月27日 14時

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