01:ピアノの音 ページ2
まふまふside
忘れ物に気付いて引き返してきたけど…
校舎にはほとんど人がいない。
不気味でちょっと怖い。
「早く帰ろう…」
自分の教室に着き素早く忘れ物を回収し下駄箱に向かう。
ふと、ピアノの音が聞こえた。
軽音部?合唱部?吹奏楽部?
いや、違う。
この学校にはリフォームによって音楽室が2つある。
古い音楽室は今は使われないし、
新しい音楽室はここから聞こえるには遠すぎる。
しかも、方向的に古い音楽室の方…
「ゆ、幽霊?」
一瞬 肩が強ばる。
でも綺麗な音色を聞いてると弾いている人を見てみたくなって自然と音楽室室の方へ足が進んだ。
ピアノは案の定古い音楽室から奏でられているらしくよく聴こえる。
ゴクリ、と喉をならして唾を飲み込んだ。
ドアノブに手を添えて横にスライドする。
「っ、?!」
開いている窓から茜色が溢れ彩り人影とピアノの黒が存在を主張する。
「き、れい…」
「うわぁぁぁああああ?!」
「うわぁぁぁ?!え、何?!」
「び、びっくりした…」
突然 声を出した僕に驚いたらしい。
「てか、伊垣さん?」
それは学年で1番背が低く先生も呆れる程眠っているとある意味有名な伊垣Aさんだった。
「えーと、誰?」
「え、あ、僕は相川真冬」
「私は伊垣A。ってさっき呼ばれたし知ってるかw」
ニコッと笑う伊垣さん。
彼女が起きて会話をしてるなんて夢みたいだww
「伊垣さんお家に帰らないの?」
「え、えーと…」
「こらぁぁ!下校時間は過ぎてるぞ!」
「うわ、ごめんなさい!」
先生が突然 来て怒る。
振り返って咄嗟に謝って伊垣さんの方に向き直れば…
「あれ?」
伊垣さんはいなくなっていた。
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作成日時:2017年9月27日 14時