吸血鬼は音楽を好む【歌い手】 (ページ23)

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22:優しい温もりページ23

Aside
優しい歌声が聞こえる。
温かい手が髪を鋤くように撫でる。
目を開ければ優しい笑顔があった。
「おはよう」なんて三日月が輝く空の下で君が笑った。

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目を覚ませば放課後。

「あ、A起きた？」
「ん、おはよー」

教室で自分の席に座って伏して眠っていたらしい。
なんだか懐かしい夢を見た気がする。
内容は全然覚えていないけれど…

「まふ君」
「どうかした？まだ眠い？」
「好きだよ」
「ふぁ？！え、きききき、急に何？」

わぁお、面白い反応。

「さて、音楽室に行こう？」

１つ思い出した。
ずっと前に弾いていた曲。
全然弾いてなかったから忘れてた。

「A？なんか楽しそうだね」
「あ、分かる？」
「良い夢でも見た？」
「秘密♪まふ君、歌ってほしいな」
「何が良い？」
「何でも良いw」
「それ困るww」

何でも良いよ、本当に。
まふ君の歌声が好き。
温かくて優しい歌声が好き。
その歌声を聴きながら眠って
その歌声を聴いて目覚めたい。

「～♪～～♪」

まふ君が前に私が弾いていた曲を鼻歌する。
綺麗な声。優しい声。安心する。
あの日、私を見付けてくれたまふ君。
私もきっとまふ君が歌うなら遠くても見付けられる。

きっとこれは運命だよ。
いや、絶対に運命だよ？
だって私は君の血と契約しているから♪