【あんスタ】_ 美しい『 彼 』_【男主】

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Izumi . side









ーお前は、いつまで逃げるんだ?ー









いつだったか、『 王さま 』にそう聞かれたことがあった。

あの時の俺には、その問いの意味がわからなかったっけ。


くまくんも、『 王さま 』も、変なところで察しが良くて困っちゃう。









俺は、ずっとあの子に恋をしていた。

初めて会ったあの日からずっとあの子に夢中で、溺れていた。









＿＿『 天使 』だと思った。

一目見て、特別な子だってわかったよ。

この子はきっと俺の運命で、生涯守るべき相手なんだって。









でも＿＿ふと、気づいてしまった。

俺とあの子じゃ、釣り合わない。

あの子はいつだって綺麗で、美しくて、優しくて。
やさぐれた夢ノ咲学院にとっても孤高の存在だった。


幼い頃に、そんなことに気づいてしまったから。
でも、釣り合わないなんて酷すぎる現実を受け止めきれなくて…俺は、あの子を '' ゆうくん '' と同じ立場の存在として受け止めた。

'' 弟 '' の様な業界の後輩。
'' 初恋の人 '' ではなく。


俺が喉から手が出るほど羨む輝かしい才能の持ち主なんかではなく。


ただひとりの、可愛い可愛い後輩として。
'' ゆうくん '' と同じ扱いをした。


そしてゆうくんがいなくなって…あの子までいなくなるんじゃないかって、怖くて、怖くて。

恐ろしかった。あの子まで失うのだけは、嫌だった。


…いつからだろう。
ゆうくんを重ねて見るようにして、世話を焼き始めたのは。

いつからだろう。
あの子の綺麗な笑顔を見れなくなったのは。

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