アマリリスが咲くまで

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音楽が止むと、

一瞬の静寂の後
　

すぐに大きな歓声と拍手が聞こえてきた


笑顔で立ち上がるトレーナーさんたちと
盛り上がってくれた練習生のみんな



その姿を見て、

ああ、上手くいったんだな

そう感じることができた






「ステージってさ、楽しいよね」

笑顔でそう声を掛けてくれたKENZOさん



なんだか大興奮の様子の仲宗根さん、







「デビュー経験者だから、
より厳しい目で見なきゃいけないなって

たぶんここにいるトレーナーは
全員そう思ってたと思うんだけど、」



周りにいるトレーナーの皆さんと
優しい笑顔で目線を合わせつつ

そう言って話始めたのはテルマさん





「そんなの忘れるくらい
最高のパフォーマンスだった！

ここに掛ける覚悟も情熱も
君がどれだけ本気なのかも全部伝わった。


ステージに立てることの有難さとか、

誰かの前でパフォーマンス出来るのが
どれだけ幸せなことなのかとか、

きっと一番よく分かってると思うから、
これからもその気持ちを忘れないで欲しい」





これ以上無いくらいに
嬉しい言葉をかけてもらって

思わず緩み掛けた涙腺をぐっと締め

噛み締めるように、はい、と返事をした








一応、と始まった話し合いも数秒で終わり

満面の笑みで告げられたのは







「A、榛名A！

文句なし、満場一致の評価です」









大きな拍手をもらって

ありがとうございました、と
繰り返しながらステージを降りる



その先にいたスタッフさんの
「お疲れさま」の声にそちらを向くと

差し出された「A」の文字



そのシールを自分の名前の横に貼り付け


そっと触れた








目標だったAクラス

でもまだ始まりに過ぎない


大事なのはここからで

期待を裏切らないように
期待に応えられるように、

手を抜かず、努力し続けよう









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