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花 ページ5
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「 わぁ、この白いお花 Aちゃんみたいで綺麗やな ♪ 」
「 そ、そうかな？ この青いお花と黄色いお花はみかくんのキラキラの瞳みたいだよ？ 」
「 えっ？ほんま？嬉しいわぁ！ 」
今私が見てるのは、いつの私だったかな。
確か、小学校に上がる前 __ だから、５歳とかかな。
家の裏の色取り々な花畑にいた、漆黒が目に綺麗な少年だった。
名前はそう、みかくん。
しっかり、今でもその記憶だけは鮮明に残ってる。
「 これで、花冠作ろうよ！ 」
「 ええなぁ、おれ花冠の作り方わからんのよぉ 」
「 えーそうなの？じゃあお花貸してっ！私がやってあげる！ 」
偉そうに胸を張る幼少期の私は確かに今に比べれば可愛いだろう。
手に持ったピンクと紫の可愛らしい花冠を自分の頭に乗せて立ち上がる。
みかくんの前でくるりと一回まわって、微笑む。
みかくんも少しだけ頬を染めて微笑み返してくれた。
それからみかくんの手から水色のお花と黄色のお花をソッと抜き取って、私は真剣そうな顔を作って花冠を編み出した。
その手元をじーっと眺めるみかくんの幼さったら 今となれば面影もない。
「 ほら！みてみて！可愛いでしょう？ 」
「 ほんまや〜、すごい！おれにもつけて？ 」
「 いいよ！ 」
みかくんの頭に乗った花冠を見て、可愛い可愛いと騒ぎ立てる私を見て ” 私 ” は小さくため息をついた。
__ ねえ、みか。
今は私の方が可愛いもんね？なんて。
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