『進撃』甘く溶かされてみるか？【短編集】 (ページ23)

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逃げられない 2 ページ23

そのままﾄﾞﾝｯと壁に体を押し付けられた。

「いっ！！離せｯ…っ…！」

「あ？離すわけねぇだろ。だが…まさかこんなにあっさり捕まってくれるとはな。」

「っ…あっさりじゃっ…アンタが蹴るからっ…」

「本当にそれだけか？前のこと、尾を引いてるじゃねぇのか？」

その言葉にﾄﾞｸﾝと心臓が音を立てる。

それを他所にリヴァイは言葉を続ける。

「分かってるんだろ？あのことでお前は俺に発砲出来なくなってる。違うか？」

耳元で囁かれ私は肩をビクつかせながら唇を噛み締める。

確かに…今でも覚えてる…

無理矢理唇奪われ…力が抜けて座り込んでしまったあの日…。

「っ…違うｯ…気のせい…」

「なら俺が近付いてきたとき撃てば良かったじゃねぇか。前のお前ならそうしていた筈だ。」

全くその通りだ…。何で…あの時…

グッと拳を握りしめリヴァイを睨みつける。

「っ…ただの気の迷いよ…それに暗闇だった。暗闇じゃ無かったら撃ってた。」

「ほぅ…だが気の迷いすらあの時は伺えなかったがな。まあ別にいい。面白ぇ。」

「なっ！？あんたねっ…」

「覚悟してろ。お前を落としてやる。」

宣言したみたいに私に告げるリヴァイ。

アンタに…落ちるとか…

「他の女みたいに…堕ちない。」

「はっ。分かってる。だがまたそれが面白ぇ。やりがいがある。」

「っ…馬鹿じゃないのっ。絶対有り得ない。」

「今はそう言ってろ。その内言えなくなるのがオチだ。」

「っ…いいかげ…」

反論しようと口を開いた瞬間、素早く唇を塞がれた。

あの日と同じ…奪い方で。。。

「ンッ！？んっ…ぷはっ…最低っ…！」

「クス。んなとろけた顔で言われても説得力ねぇな。A。」

「はぁ…絶対っ…捕まえてやるっ。」

「楽しみにしてる。」

そう言ってヘリコプターの迎えにリヴァイは乗り去っていった。

「はぁ…また私…」

ため息をつきながら空を見上げた時、エレン達が走ってきた。

捕まるか…捕まえられるかは時間の問題かもしれない。

でも今度こそは…私がこの手で＿＿＿＿...

end