会いたい…36 ページ23
原先輩に連れられて遠回りをして帰っていた。
先輩は優しいからきっと、私の気を紛らわせようとしているのだろう。
公園の入口にさしかかった時に光るものが見えて、立ち止まった。原先輩もいるから大丈夫と思いそのまま進むとなつと花宮先輩がいた。
光って見えたのはなつのスマートフォンだった。
「せんぱーいこれやばくないですかっ!?瀬戸先輩じゃなく先生と密会ですよっ！禁断の恋燃えますねっ！」
たまたま聞こえたその声は嬉しそうに言っていた。
あまり聞こえないし、見てるともやっとしたので、帰ろうとしたら原先輩に引っ張られた。
「…なにやってんですか先輩方」
みると古橋先輩、山崎先輩、瀬戸先輩がいた。
「テスト大丈夫なんですか?!」と言うと
「桜華は通常運転だな。よかった」
「あぁ、よかった。…テストは再来週だから……」
「俺はザキと違って大丈夫だ。」
「俺だけ!?原も居るだろ！」
「ザキと一緒にしないで〜w」
「再来週とか言ってても間に合わないだろ」
仲良いなぁ…。花宮先輩のことが大好きだから気になって来ちゃったのかな??
あれ、そー言えば…送るの忘れてた。
Aが今井に送信した時、通知音が鳴った。今井はよく見えるように写真を拡大していたのだろう。その指がたまたま通知の所をタップしてしまった。そして表示される再生マーク。勢いで押してしまい、流れた。
静寂の纏う公園に広がる女の子の声。
『あれれ〜――――――』
片手に収まるスマートフォンから溢れ出すどろどろとしたもの。みるみるうちに青ざめる今井の顔。その顔は
『あなたが主犯ね、今井奈津』
『ふふっそうよ！私が全部仕組んだの』
血の気を失い、真っ青だった。
花宮は口元が緩み
「確かに面白いもの見せてもらった。ただ、1つ訂正があるな。桜華じゃなく、お前の立場の方が危ないんじゃないか?今井奈津」
「こ、これは…！！」
「楽しませてもらった。お前の演技にはな。俺はお前のような腐ったやつは嫌いじゃない。足掻く姿が滑稽だからな。｣
｢それになぁ…あいつはお前みたいなコットンキャンディーの匂いなんかしねえんだよばぁか
柔軟剤の匂いには気をつけてたみたいだがてめえの甘ったるい香水は反吐が出るほど嫌いなんだよ。1度染み付いた香りはなかなかとれねぇなあ」
「……ご、めん…なさ、いっ……」
「あーあ。泣けばいいとか思ってんのか?これだから女は嫌いなんだよ
俺じゃなくアイツだろ」
そう言い残しこちらに来た
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作者名：雪空 | 作成日時：2017年12月5日 0時
