ドライヤー ページ35
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ある日のお風呂上がりのこと。ドライヤーをするのが億劫な私が濡れたままダラダラしてたらだるちゃんが話しかけてきた。
「あ、また髪乾かしてへんやんか。もう冬やし、風邪ひくで?」
「え〜………部屋暖かいし大丈夫だと思うけど」
「だぁめ、Aすぐ風邪ひくんやからちゃんと乾かさんと。ほらこっちおいで?」
「ん………」
のそのそとゆっくり動いてだるちゃんの方向へ向かうとタオルを頭にのせてふわふわと頭を拭かれる。
「んも〜服濡れとるしぃ………ほんまに体調崩してもしらんからな」
「ふふ、そうやって言って絶対看病してくれるのに。」
タオルで拭き終わったし次はドライヤーかな?と思っていたらだるちゃんは私が買ったもののほとんど(めんどくさくて)使ってないヘアオイルを持ってきて塗ってくれた。
だるちゃんの手が髪を撫でてすこしくすぐったい。
「じゃあ風あてるからなんかあったら言うて」
「はぁい」
そんなことを言いながらもだるちゃんのドライヤーの当て方は文句のつけどころがないほど丁寧で。
サラサラと髪の毛を触る優しい手に、ドライヤーの温かい風。
最近疲れてたのも相まってうとうとしてたらドライヤーが終わったのか風の音は止んで。
「ん〜?目とろとろやん、眠い?」
「ん…ねむ、」
「あらあら、自分で寝室まで行けそ〜?」
「むり、………」
「ふは、せやったらここで寝や。後で運んだるから。」
ありがとう。
その言葉が口に出来たかは分からないけどだるちゃんは優しく微笑んで頭を撫でてくれた。
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作者名:翡翠 | 作成日時:2021年11月26日 1時