耳 ページ13
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だるちゃんの配信を聞いて思う、やっぱり彼はいわゆるイケボを持つ人だと。
とっさの行動もかっこいいし配信であれだけネタにされてるけど声もかっこいい。…………もちろん夜の時も、なんてのは私しか知らないことだけど。
だるちゃんのイケボ集なんて動画をみながらそんなことを考えているとなんだか暑くなって顔が真っ赤なのが自分でもわかる。パタパタ顔を仰いでいたせいかリビングに入ってきただるちゃんに気づかなくて。
「なぁにA。めっちゃ顔真っ赤やけどなにしとるん？」
と後ろから抱きしめてきただるちゃんに耳もとで囁かれた。
「ぁ、だるちゃ」
「イケボ集〜？そんなん見やんでも言ってくれたら全然したんのに、」
私のスマホを覗き込んでニヤニヤしながら聞くだるちゃんはとてもずるい、
「んは、こっちおいで？ほら俺のお膝。」
抱きしめられたことに照れている間に横に座ってただるちゃんの膝に乗せられていて。ぽす、と軽い音を立てながら肩に顔を埋めるとだるちゃんの匂いや吐息が感じられて恥ずかしくなる。
「ん、来れてえらいね。俺の切り抜き聴きながら照れてたんかわええ子やねぇ」
「耳もう真っ赤、あっは。たべちゃいたいくらいかわええね、」
「こんな可愛ええ子と付き合えてほんまに最高やわ、」
「愛してるよ、A」
ぽしょぽしょと吐息混じりのその声は耳に馴染んで心地いい。それでも恥ずかしがらずにあいしてる、かわいい、ええ子。そんな言葉を言うだるちゃんに耳はさらに真っ赤になって言ってもうくらくらで倒れそう。
「ゃ、だるちゃん……もういい、から」
「もうええの？俺のイケボ満足した？」
「した、したからやめて………」
そう言って無理やりかおをぐい、と上げるとそこには満足気な顔をしただるちゃん。
「めちゃくちゃ照れてんやん。」
「だって……だるちゃんかっこいいもん、」
「Aの頼みやったらまたやったるからちゃんと言うんやで？」
結局最後にはずるい顔をする彼にはもう一生叶わないなと、そう思った。
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年11月26日 1時
