検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:21,917 hit

クリスマス5 ページ5

「…私のも開けてみてください」

「おー、なんだろなー」


ハンドクリームなのは知ってるけど
ワクワクすると言いながら
ガサガサと包装を解いていく


「え、これ高いやつじゃね?」

「そんなにですよ」


ブランド物のハンドクリーム
でも先輩の香水だってブランド物だ

一緒くらいか先輩の方が少し高い


「うわめっちゃ嬉しい、塗っていい?」

「どうぞ、お気に召すかわからないですけど」

「Aから貰った時点でお気に召してます」


チューブから少量出す先輩

ちゃんと出さなきゃ
意味ないですよというと
勿体ないだろとすごい剣幕で言われた

塗り広げていくとムスクの匂いが広がる
そしてその意図は先輩もわかったようで
チラッとこちらに視線をやってきた


「これ何の匂い?」


ニヤニヤしながらわざと聞いてくる
無性に恥ずかしくなりながら答える


「…ムスクですけど」

「いつもつけてるやつ?」

「…まぁ」


へー、ほー、と頷きながら
先輩は自分の手を見る

そして匂いをかいでAの匂いがする
なんて本当に嬉しそうに言う

喜んでもらえてよかった


「ありがとな」

「私も、ありがとうございます」


お互い笑いあった時
ふとキスがしたくなった

じっと見つめると
先輩もじっと見つめてくる

そしてしようとも言っていないのに
私達はキスをした


「…付き合うと思考回路まで似るんですね」

「…そうだな」


電車が来るまで私達の間には
昔みたいに変な距離が出来ていた

クリスマス6→←クリスマス4



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
195人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:琴音 | 作成日時:2019年12月14日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。