太宰、中也、十五歳 27 ページ31
蘆花side
中「寒い?」
中原君が眉を持ち上げて隣の蘭堂さんを見た。
中「この季節に、その格好でか?」
蘭堂さんはぶ厚い断熱生地の服を着て、その上に起毛の防寒外衣を纏い、首には厚手のマフラーを巻いていた。
頭には兎毛の耳当て、靴は合成革の
それでも尚、寒そうに震えていた。
蘭「執務室に参上する以上、失礼のない服でなくてはと、かなり薄着をしたもので……うう寒い……」
森「診察結果によると、蘭堂君は体調不良な訳でもなく、神経系に問題がある訳でもなく、ただ単に寒いのが嫌いなだけなんだけどねぇ」
蘭「うう…暖かい地域で働きたい……。首領、ポートマフィア火口付近支部とかありませんか……」
森「ないねえ」
蘭堂さんのその言葉をバッサリと切る森さん。
容赦無いな。
蘭「うう…ではお言葉に甘え、失礼致します……」
蘭堂さんは異能を解除した。
中原君を拘束していた無数の立方体亜空間が消滅した。
それから陰鬱な足取りで、蘭堂さんはふらふらと部屋を出ていった。
3人が蘭堂さんの背中をなんとなく見送る中、このあと起こるであろう面倒な会話から目を背けるためにも本を開く。
森「あれでもポートマフィアの準幹部にして優秀な異能者なのだよ、彼は」
森さんが弁明するように早口で云った。
中「別に弁明しろとは云ってねえよ……」
中原君が呟いた
治「森さん、そろそろ本題入ったら?」
治が呆れたように云った
森「あー……」
治のその言葉に煮えきらないような、ぼんやりとした声で
森「そうだねえ」
と云った。
暫く静かな空間が続いた後、
森「中也君。我々マフィアの傘下に入る気はないかい?」
森さんがその言葉を吐き終わると轟音がし、本の奥の足元に亀裂が入り、破片が飛んでくる。
中「……あァ?」
その年にしてはよくドスの効いた声が部屋の中で響く
中「そんなクソったれな寝言を吐くために俺を呼んだのか?」
森「まあそういう反応になるよねえ」
森さんが何処か楽しげに云った。
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Wolf @ 元フェアリー(プロフ) - できれば別のブラウザというのを教えて頂きたいです。 (10月10日 21時) (レス) @page41 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
Rio*(プロフ) - すみません。別のブラウザというのは..... (10月7日 18時) (レス) @page41 id: 31d091d700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:命 | 作成日時:2022年11月9日 17時