44話 ページ44
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あっという間に時は過ぎ、1月の寒さが身に染みるこの頃。
『一緒に卒業せな許さへん』そう言ったショッピ君の言葉にようやく目が覚め、3月の進級テストに向けて私は真面目に勉強に取り組んでいた。
Aはやればできる、そう言った先輩の言葉通り、冬休みの課題も期日通りに提出し、課題テストも悪くない結果だった。
トントン先輩とはラインで近況報告をする日々が続いていた。
そして学校から帰宅した今日も、今朝返却された数学のテストの結果を報告しようと自室のベッドに正座しながら先輩に送る文面を考えているところだった。
すると突如、手の中で震えだした携帯にビビり散らかし、床へとそれを取り落とす。
「もっ、もしもし！」
『あ、A？今ちょっとええか？』
「えーと…心臓以外は、」
慌てて拾い上げた画面は先輩からの着信を知らせていて、耳に当てた携帯からダイレクトに頭に響く大好きな声に心臓がバクバクうるさい。
先輩から電話がかかってきたことなんて初めてで、無意識に背筋がピンと張った。
何事かと用件を聞けば、珍しく少し口ごもりつつ口を開いた先輩。
『……あんな、言うてなかったけど…明日試験やねん』
「えぇ！？私聞いてないですよ！」
『言うてへんもん。どうせ余計な心配するやろと思ったし』
確かに聞いていれば自分のテストなんて手につかなかったと思うけど。もうトントン先輩は私の考えることなんてお見通しだ。
「頑張ってください、先輩なら大丈夫です」
『ふふ、Aに励まされてしもたなぁ』
「いつもは逆なので…たまには、」
『……おん、やる気出たわ』
ありがとうな、と言われ、少しは先輩の役に立てたかなと喜んでいれば、『ほんとはな、』とポツリと呟いた先輩。
『…本番前に、Aの声聞きたかってん』
「え…私の、」
『Aが俺の声聞いて安心する言うとった意味やっと理解したわ……めっちゃ落ち着いた、今』
落ち着いた。私の声で。なにそれ。
ズキューンと心臓を撃ち抜かれ、再起不能。
いつもより幾分弱々しい先輩。試験前で緊張しているのかな、と考えていれば、再度名前を呼ばれる。
『…なぁ、A？』
「え、は、はい」
『………好きって言ってや、』
「へ？」
え、酔ってる？なんて失礼な事を考えるより先に、条件反射に動く私の口。
「そりゃ大好きです、トントン先輩が1番です」
『嫌や、1番じゃあかん。2番とか作らんといてよ』
今私と電話してるの、本当にトントン先輩なんだろうか。
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美雨 - この作品お気に入りすぎて5回くらい見ました、、、()本当に素敵な作品できゅんきゅんしまくりです！！！最後の言葉がぐっと来て本当に泣きそうになりました。素敵な作品ありがとうございました。 (2023年1月7日 17時) (
レス) @page50 id: c21832273f (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - はぅ、、、、、とんとん、、、、、ちゅき、、、、、 (2020年9月28日 11時) (レス) id: f773b15172 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - 初コメ失礼します…あー！！！！！甘酢っぺぇ！会社の方見てからこっち来たんですけどどっちも甘々なのになんか、両方とも違う甘々でくっときました…天才ですか…好きです。長々と失礼いたしました…これからも応援しています…！ (2020年7月13日 6時) (レス) id: 57a2a5c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - もうなんか今順番に読んでるんですけど必ずと言っていいほど泣くんですけど、え？tn氏かっこよすぎん？好き。 (2020年5月26日 3時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 初コメ失礼します！もう感動しすぎて泣いちゃいました........ (2020年5月13日 17時) (レス) id: a7dcf8f420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月31日 0時
