43話 ページ43
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二学期末テストが明け、冬休みが始まろうとしていた。
テストの結果はお察しの通りで、補習のない冬休みはただ課題の量を増やされた。
このままじゃ本当に留年するかも、なんて分厚い課題の束を見ながらため息をつく。定期的に配られる進路希望調査には、未だにトントン先輩が行く大学の名前を書いていた。つまり何も決まってない。
トントン先輩は、いよいよ来月に迫ったセンター試験と入試に向け毎日遅くまで学校に残っていた。しばらく一緒に帰っていないけど、お昼は毎日会えるから寂しさで潰れずに済んでいる。
みんなの倍量の冬休みの課題を先生に受け取りに職員室へ向かった放課後、その足で今日も1人で帰ろうと生徒玄関へ足を進めていた。
「あ、ショッピ君！」
「A。まだ残ってたんや」
下駄箱の先にいたのはショッピ君。最近その隣には同級生の女の子がいるのをよく見かけていたので、一人でいるのを見たのは久しぶりだった。
「1人？」
「あぁ、委員会らしいで。Aは？」
「先輩は勉強が恋人」
靴を履き替えつつそう言えば「ふーん」なんて気の無い返事が返ってくる。
少し前なら、この流れで何も言わずとも一緒に帰っていたけれど、今はそういうわけにもいかない。じゃあね、とその横を通り過ぎようとしたのに、待ってや、なんて足止めをされる。
「なんでそんなよそよそしいねん。一緒に帰ろーや」
「えぇ？それは…」
許されるの？と目で訴えれば、俺ら友達やん、とそう言われてしまえば何も言えず。
すっかり言いくるめられ現在初夏ぶりに帰りを共にし、ショッピ君相手に謎に緊張してしまう。
「テストどうやったん？」
「わかるじゃん、聞かなくても」
「ふ、なんて言うんか聞いたろ思って」
彼女が出来て丸くなるなんてことは無く、奴は通常運行だった。
「でも、平気なん？進級とか」
「全然。留年してショッピ君にバカにされる未来まで見えてるよ」
割とリアルな未来予想図ではあるけど冗談ぽくそう言えば、ショッピ君は珍しく真面目な顔で私を見ていた。
「俺、嫌やで。留年とかされたら」
「えぇ、どうしたの？めずらしい」
「だってお前、なんのために俺と同じ高校受けてん」
「……それはまぁ、そうだけど」
ショッピ君と同じ所に行きたいがために少しレベルを上げてこの学校に進学を決めた。それ程、ショッピ君との絆は深かった。もちろん友情的な意味で。
「一緒に卒業せな許さへんで」
有無を言わさぬ瞳に、驚きつつも小さく頷いた。
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美雨 - この作品お気に入りすぎて5回くらい見ました、、、()本当に素敵な作品できゅんきゅんしまくりです！！！最後の言葉がぐっと来て本当に泣きそうになりました。素敵な作品ありがとうございました。 (2023年1月7日 17時) (
レス) @page50 id: c21832273f (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - はぅ、、、、、とんとん、、、、、ちゅき、、、、、 (2020年9月28日 11時) (レス) id: f773b15172 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - 初コメ失礼します…あー！！！！！甘酢っぺぇ！会社の方見てからこっち来たんですけどどっちも甘々なのになんか、両方とも違う甘々でくっときました…天才ですか…好きです。長々と失礼いたしました…これからも応援しています…！ (2020年7月13日 6時) (レス) id: 57a2a5c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - もうなんか今順番に読んでるんですけど必ずと言っていいほど泣くんですけど、え？tn氏かっこよすぎん？好き。 (2020年5月26日 3時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 初コメ失礼します！もう感動しすぎて泣いちゃいました........ (2020年5月13日 17時) (レス) id: a7dcf8f420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月31日 0時
