25話 ページ25
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取り敢えず分かったことは、先輩は吹っ切れるとなりふり構わなくなるタイプだということ。そして今後私の心臓は何個あっても足りないということ。
時間を忘れて先輩と話して、すっかり四徹明けの眠気なんて飛んでいった。
「ま、英語の結果は残念やったけど、次は数学やからなぁ」
「ちなみに1番自信ないです」
小テストの反省会をしていると、うーんと何かを考え込む先輩。
「数学なら俺教えられるし心配いらんで」
「え？いやいや、先輩は自分の進路の勉強があるじゃないですか」
「だから、変な遠慮とかせんでええねん」
じっとこちらを睨む先輩。
遠慮とかじゃなく、ただ先輩の大事な時間を奪いたくないだけなのだけど。
どう言えばいいだろう、と口をもごもごさせていると、
「数学はなんやったっけ？2人で遊びに行くんやっけ？」
「…！行く！行きたいです！」
「ほんなら一緒のことやろ、俺の時間Aにあげてんねんから。気にすな」
は！言われてみればそうだった。
どこまでも優しいトントン先輩は、私に小テストの勉強を教えた挙句、合格したら一緒に遊びにも行ってくれると。
「先輩……めちゃくちゃ優しいじゃないですか、好きなんですけど」
「元々優しくしてるつもりやねんけど？」
「恩恵に預かってます！」
ピシッと敬礼すれば、ニコニコと楽しそうに笑う先輩。
でも、テスト勉強に付き合ってくれるという事は……先輩も少しは2人で遊びに行くのを楽しみにしてくれているのだろうか。
そんな思いが頭を過り、私も先輩につられて頬が緩む。
そんな私を見て「顔色良くなったな」と安心したように言われる。
「んじゃ、Aも元気になったようやし俺もそろそろ帰るわ」
「んふふ、先輩のおかげで全快です」
「感謝せぇよ。そもそも俺おったらAは寝られへんやろうし、行くわ」
そのまま部屋を出ようとする先輩を見送ろうとベッドから腰を浮かせれば、寝とけと諭される。でも少しでも長く先輩といたい私はわがままを言って玄関まで着いて行った。
「またそのうち学校行くから」
「はい！いつでも待ってます！」
「あいつと2人になるなよ」
「ケンちゃんも補習なので、なかなか厳しいです」
「なんで頭悪いねん…あいつ」
最後の最後までブツブツと文句を言いながら帰っていった先輩の背中に、上がりっぱなしの口角はいつまで経っても元に戻らない。
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美雨 - この作品お気に入りすぎて5回くらい見ました、、、()本当に素敵な作品できゅんきゅんしまくりです！！！最後の言葉がぐっと来て本当に泣きそうになりました。素敵な作品ありがとうございました。 (2023年1月7日 17時) (
レス) @page50 id: c21832273f (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - はぅ、、、、、とんとん、、、、、ちゅき、、、、、 (2020年9月28日 11時) (レス) id: f773b15172 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - 初コメ失礼します…あー！！！！！甘酢っぺぇ！会社の方見てからこっち来たんですけどどっちも甘々なのになんか、両方とも違う甘々でくっときました…天才ですか…好きです。長々と失礼いたしました…これからも応援しています…！ (2020年7月13日 6時) (レス) id: 57a2a5c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - もうなんか今順番に読んでるんですけど必ずと言っていいほど泣くんですけど、え？tn氏かっこよすぎん？好き。 (2020年5月26日 3時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 初コメ失礼します！もう感動しすぎて泣いちゃいました........ (2020年5月13日 17時) (レス) id: a7dcf8f420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月31日 0時
