3話 ページ3
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____半年前。
クラス割りを確認し、そわそわと席に着く。
他のクラスメイトは仲良しグループで固まり談笑している。私はと言えば、同じ中学の大親友ショッピ君の姿がまだ見えず、完全なるひとりぼっちで彼の到着を今か今かと待っていた。
華の高校生活。
だけど勉強は大の苦手で高校の内容に頭が追いつく自信がまるで無い。
運動はショッピ君に鼻で笑われるほど苦手。
私、華の高校生活で一体何を頑張ればいいのか。
自分の力量の無さにガックリと項垂れる。期待と希望で胸がいっぱいのはずの入学式の日に、自分の未来に絶望しているのはきっとどこを探しても私だけだろう。
「うわ、朝から辛気臭、」
「っ！シﾞョﾞッﾞピﾞ君ﾞ！」
「は？なんて？」
ドサッと私の前の席に荷物を下ろしたショッピ君。そして泣き崩れる私。そして集まる周りの視線。
「……私………何のために高校に来たんだろう」
「学ぶためやろな」
「このままじゃ私、志半ばで人生を諦めるかもしれない……」
「聞いとる？」
人生のピーク(私談)である十代後半を捧げることになる高校生活が、こんなに絶望的であっていいはずがないのだ。
私の力説もショッピ君には届かず(無視をされた)、1人ため息をつく。
「うわ、やかましいと思ったらあれコネシマさんや」
「ん？誰？」
廊下を眺めていたショッピ君が不意にそんなことを言うので見れば、確かに教室前の廊下から賑やかな声が聞こえてくる。
と、その一際賑やかな金髪の人が、ずんずんこちらに向かってきているように見えるのは気のせいでしょうか。
「お〜！やっぱりショッピ君やったな！」
「はぁ……なんの用すか」
「ここに入学したって聞いたから顔でも見たろ思って探しててん」
「迷惑なので帰ってください」
つっけんどんに返すショッピ君だけど、その表情は本気で嫌がってるわけでもない様子。何故分かるのかと言うと友達だから。
1人ふふんと鼻を鳴らしていると、金髪の人がくるりと私の方を向いた。
「ショッピ君と仲良うしたってな、」
「…！お易い御用です！お任せ下さい！」
「余計なこと言わんといて貰えます？」
クソデカため息をつくショッピ君。その時、廊下の方からまた違う人の声が聞こえた。
「シッマ〜、そろそろ行くで」
優しい声色、高い身長、それによく似合う眼鏡。
目で追うようになるのに時間はかからなかった。
お話してみたい、その瞳の中に写ってみたい。
気づけば私の心は名前も知らない先輩の事でいっぱいだった。
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美雨 - この作品お気に入りすぎて5回くらい見ました、、、()本当に素敵な作品できゅんきゅんしまくりです！！！最後の言葉がぐっと来て本当に泣きそうになりました。素敵な作品ありがとうございました。 (2023年1月7日 17時) (
レス) @page50 id: c21832273f (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - はぅ、、、、、とんとん、、、、、ちゅき、、、、、 (2020年9月28日 11時) (レス) id: f773b15172 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - 初コメ失礼します…あー！！！！！甘酢っぺぇ！会社の方見てからこっち来たんですけどどっちも甘々なのになんか、両方とも違う甘々でくっときました…天才ですか…好きです。長々と失礼いたしました…これからも応援しています…！ (2020年7月13日 6時) (レス) id: 57a2a5c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - もうなんか今順番に読んでるんですけど必ずと言っていいほど泣くんですけど、え？tn氏かっこよすぎん？好き。 (2020年5月26日 3時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 初コメ失礼します！もう感動しすぎて泣いちゃいました........ (2020年5月13日 17時) (レス) id: a7dcf8f420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月31日 0時
