15話 ページ15
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「おぉー、凄いやん。やれば出来るやんけ」
「へへ、もっと褒めてくれていいですよ」
いつも何を言っても表情の変化に乏しい先輩が、珍しく驚いてる。若干不本意だけど嬉しい。
よく頑張ったな、なんて言われてニヤニヤした顔を隠すことも忘れてしまう。
「先輩、ご褒美ください」
「えぇ？聞いてないねんけど」
「あー！私頑張ったのになぁー！」
「うるさいねん…まぁでも、せやなぁ…」
思いつきで言ったのに、思いの外真剣に悩んでくれる先輩。
「じゃ、何してほしいか言ってみ？」
何でもされたいです好きですの言葉を飲み込んで、真面目に考え込む。
「えーと…一緒に帰りたい、ライン交換したい、遊びに行きたい」
「いや、なんで3つやねん。…ほんでえらい具体的やな、」
「それはあれです、数学と英語のぶんです」
先輩からのご褒美の有無で今後のやる気も出来栄えも段違いになる。欲を言えば補習中ずっと隣に座っていてほしい。きっと捗らないだろうけど。
「うーん…じゃあ分かった、英語のテストも合格やったらライン教えたるよ。数学もちゃんと出来たら遊びに行ったるわ」
「えぇ！？正気ですか！？」
「いや、お前が言うたんやろ」
はぁ、とため息をつく先輩。
だって、まさか全部叶えてくれるとは思わないじゃん。ダメ元でお願いしたのに。
「い、嫌じゃないんですか、」
「はぁ？嫌やったら最初からこんな事言わへんわ」
「だって、」
ずるい、ずるい。私だからお願い聞いてくれたのか、誰がお願いしても一緒だったのか確かめたくなるじゃん。
「で、後はなんやったっけ？一緒に帰りたいやっけ？」
「……え、はい」
「Aはもう帰るやんな？俺ももう帰るから、ほんならちょっと待っとってな」
「は、え！？ちょっと待ってください！」
「なんやねんうるさいのぉ」
迷惑そうに顔を顰めた先輩に目を白黒させながら叫ぶ。
「きょ、今日施行なんですか、そのお願い」
「ん？都合悪いんか？」
「全っ然！万全です！」
「じゃあなんも問題ないやんけ」
「ありまくりです！心の準備とか身なりの準備とか！」
「身なりて…別にいつも通りやん」
私を上から下まで確認して不思議そうに首を傾げた先輩。そういう問題じゃない。乙女にしか分からない細かい違いなのだ。
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美雨 - この作品お気に入りすぎて5回くらい見ました、、、()本当に素敵な作品できゅんきゅんしまくりです！！！最後の言葉がぐっと来て本当に泣きそうになりました。素敵な作品ありがとうございました。 (2023年1月7日 17時) (
レス) @page50 id: c21832273f (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - はぅ、、、、、とんとん、、、、、ちゅき、、、、、 (2020年9月28日 11時) (レス) id: f773b15172 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - 初コメ失礼します…あー！！！！！甘酢っぺぇ！会社の方見てからこっち来たんですけどどっちも甘々なのになんか、両方とも違う甘々でくっときました…天才ですか…好きです。長々と失礼いたしました…これからも応援しています…！ (2020年7月13日 6時) (レス) id: 57a2a5c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - もうなんか今順番に読んでるんですけど必ずと言っていいほど泣くんですけど、え？tn氏かっこよすぎん？好き。 (2020年5月26日 3時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 初コメ失礼します！もう感動しすぎて泣いちゃいました........ (2020年5月13日 17時) (レス) id: a7dcf8f420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月31日 0時
