2話 ページ2
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午後の授業開始のチャイムと同時に″1年2組″のプレートが下がる教室に転がり込む。
ゼェハァと息が苦しいけれど、ギリギリまで先輩と一緒にいるためには造作もない犠牲なのだ。
「滑り込みセーフ。昨日より3秒早いタイムやで」
「ウッス！己の限界に挑戦するっす！」
携帯片手に頬杖をつく仲良しのショッピ君。私の前の席に座る彼もまた、私の恋を応援してくれている1人。
「今日も汗だくですねぇ」
「正に青春の汗ってやつですねぇ〜」
この真夏に階段上り下り+全力疾走は中々堪える。暑さ的な意味で。
ショッピ君が下敷きでパタパタと仰いでくれ、おでこに張り付いた前髪が時空の彼方へ飛んでいった。
もうとっくに授業は始まっているけれど、後ろの席なのをいいことにショッピ君と2人、こそこそお喋りを楽しむ。
「聞いてよ。今日は新たな先輩の情報が知れたんだよ」
「ふーん。どんな？」
「先輩…きのこ派だったんだって！」
「へー、たけのこのが美味いやんな」
「ショッピ君ごめん……私もうきのこ派だから…」
「あーもう手のひらくるっくる」
先輩の好みには替えがたい犠牲なのよ…たけのこに罪はないけれど。
「でも、最初に比べたらそんなしょーもないことまで話せるようになったやん」
「ふふ、努力の結晶だよ。この汗は裏切らないね」
苦節半年。入学してから半年。トントン先輩を初めて見てから半年。この半年以上に濃い半年を私は知らない。
その間先輩は1度も私に振り向いてくれたことは無かったけれど、他の女の人の方へ行ってしまうことも無かった。
めげずにしつこく付きまとう私をうざったそうに見るも、最後にはため息ついて「しゃーないなぁ」って言ってくれる。こんなの絶対好きになっちゃう。だから私もそんな先輩に甘えて毎日お昼に先輩の元へ通いつめるのだ。
「あ、ショッピ君。先輩今頃現国だよ」
「ふーん」
先輩のクラスの時間割表(私調べ自作)を見ながらショッピ君に教えてあげる。いつも、ふーんとかへーという返事しか返ってこないけれど、真面目な相談事は1番に乗ってくれる優しい男なのだ。
ちなみに、かくいうこのショッピ君こそが私と先輩を引き合わせてくれた人物でもある。
かったるい数学の授業も右から左で、私は先輩と初めて会った時のことを思い出していた。
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美雨 - この作品お気に入りすぎて5回くらい見ました、、、()本当に素敵な作品できゅんきゅんしまくりです！！！最後の言葉がぐっと来て本当に泣きそうになりました。素敵な作品ありがとうございました。 (2023年1月7日 17時) (
レス) @page50 id: c21832273f (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - はぅ、、、、、とんとん、、、、、ちゅき、、、、、 (2020年9月28日 11時) (レス) id: f773b15172 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - 初コメ失礼します…あー！！！！！甘酢っぺぇ！会社の方見てからこっち来たんですけどどっちも甘々なのになんか、両方とも違う甘々でくっときました…天才ですか…好きです。長々と失礼いたしました…これからも応援しています…！ (2020年7月13日 6時) (レス) id: 57a2a5c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - もうなんか今順番に読んでるんですけど必ずと言っていいほど泣くんですけど、え？tn氏かっこよすぎん？好き。 (2020年5月26日 3時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 初コメ失礼します！もう感動しすぎて泣いちゃいました........ (2020年5月13日 17時) (レス) id: a7dcf8f420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月31日 0時
