12話 ページ12
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でも、友達に私の話をしてくれたという事実がどうしても嬉しくて、正直全然怒れない。
「ていうか、シッマと知り合いやったん？」
「ショッピ君を通じて少しだけ、ですけど」
「ほーん、シッマが一方的に知っとるだけや思てた」
知らんかったわ、と呟く先輩。
「先輩が私のことアホだったって笑ってたのも証言してくれました」
「あいつ口ペラッペラやんけ」
「Aは先輩からの度重なる暴言に酷く傷つけられました」
「度重なってはないやろ」
「日々の行いを思い出してください」
ここぞとばかりに先輩を口攻撃。ついでに頬を膨らませておいた。
「はいはい、ごめんなAちゃん」
唐突なAちゃん呼びに動作停止。先輩を見ると、意地悪く笑っている。確信犯。逮捕だ。
「ほっぺ膨らませても怖ないで、Aちゃん」
「……、それやめてください」
白旗を上げる私に、ククッと肩を震わせる先輩。完全に体勢逆転。
「……せや、シッマといつ話してたん？」
「え？えーと…今日の集会の後、ですけど」
返答はいつも通り、ほーん、なんて返す先輩だけど、何となくいつもと違う雰囲気を感じて首を傾げる。いつも先輩の事しか見ていない私だからこそ分かる微々たる違い。
「……そうだ、私今日先輩のこと探してたのに、どの辺に居たんです？」
「ん？普通に端の方やで。でもAはちっこいから見えへんやろな、残念やわぁ」
「背伸びできますけど！」
さり気なく話を変えればまたいつもの調子に戻った先輩にほっと胸を撫で下ろす。なんだったんだろう？と若干気にはなるけれど、いつも通りに戻ったから別にいいか。
「せや、それ出してこんとあかんのちゃうん？」
「…ああ！？完全に忘れてた！」
すっかり空気になっていた進路希望調査。時計を見れば、もう1時間も先輩と話していたようで。
「私、職員室行ってきますね」
名残惜し過ぎるけれど、今日はこの当たりで先輩とさよならしなければ。
とはいえ、先輩が次にいつ登校してくるのか知らないけれど。
「ん、じゃ行こか」
「え、…え？先輩、図書室に用事あったんじゃないんですか？」
すっかり私の進路の事に気を取られていたけれど、野暮用があると言っていたはず。当然のように私と一緒に図書室を出てきた先輩に首を傾げた。
「…そうやったかな。大した用や無かったんとちゃう？」
若干間をあけてそう言った先輩。
先輩がそう言うなら、とすっかり間に受けて職員室への道をまた並んで歩いた。
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美雨 - この作品お気に入りすぎて5回くらい見ました、、、()本当に素敵な作品できゅんきゅんしまくりです！！！最後の言葉がぐっと来て本当に泣きそうになりました。素敵な作品ありがとうございました。 (2023年1月7日 17時) (
レス) @page50 id: c21832273f (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - はぅ、、、、、とんとん、、、、、ちゅき、、、、、 (2020年9月28日 11時) (レス) id: f773b15172 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - 初コメ失礼します…あー！！！！！甘酢っぺぇ！会社の方見てからこっち来たんですけどどっちも甘々なのになんか、両方とも違う甘々でくっときました…天才ですか…好きです。長々と失礼いたしました…これからも応援しています…！ (2020年7月13日 6時) (レス) id: 57a2a5c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - もうなんか今順番に読んでるんですけど必ずと言っていいほど泣くんですけど、え？tn氏かっこよすぎん？好き。 (2020年5月26日 3時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 初コメ失礼します！もう感動しすぎて泣いちゃいました........ (2020年5月13日 17時) (レス) id: a7dcf8f420 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月31日 0時
