落し物 ページ22
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「おー！A、ええタイミングで来たな」
「おはよ。どうかした？」
滑り込みセーフでオフィスへ到着。コピー用紙をコピー機前にドスンと下ろして席に着いた。
「今週の金曜、報告会成功を祝って打ち上げあるらしいんやけど、コース料理が肉メインか魚メインか決めてくれって」
「報告会成功って、まだプロジェクト終わってないじゃん、」
それにかこつけて先輩達が飲みたいだけでは？なんて名推理をぶちかましつつ、強いて言うなら肉で、と鬱に返す。「先輩ー！俺ら2人肉で！」とかクソデカボイスで叫ぶので無性に恥ずかしくなり、背中をバシリと叩いた。
と、その時オフィスの扉の前で先輩の驚いた声が響く。
「ちょ、トントンどうした？びしょ濡れじゃん、」
「……すんません、遅れました」
その声に反射的に顔を上げると、全身からぽたぽたと水を滴らせているトンちゃんが目に入りギョッとする。
え？そんなに雨降ってたっけ？と窓の外を見ると、先程と打って変わってバケツをひっくり返したような大雨に変わっていた。
「うわぁ、どうりで湿気が…」
「ほんまやな。髪ぼさぼさやで」
「はい告訴」
当の鬱の髪はこの雨なのにサラサラのままで腹が立つ。負けた気がしたのでその艶やかな前髪をくしゃくしゃに散らした。
「何すんねんお前！あーあー元気になった思たらすぐこれやわ」
「あ〜、私が元気で嬉しいくせに」
「誰が元気にしたったと思っとんねん感謝せぇよ」
「あーはいはい楽しい夜でした」
この間、あまりにも心が絶不調だった私を見かねた鬱とシャオちゃんが焼肉を奢ってくれた。飲み放題付きの。
胸の内をぶちまける私に感化され鬱とシャオちゃんの大暴露大会が始まり、中でも2人が過去に付き合っていた女の子が同一人物だったのが1番のハイライト。
「は〜……まじで誰かさんはこんな女のどこがいいんやろか」
「鬱の彼女は浮気に寛容な優しい女の子でよかったね…ってそうだ、忘れてた」
鬱を煽っていようやくて思い出した、今朝預かった手紙の存在。
.
「……あ、あれ…？」
「？ 探しもん？」
バッグをゴソゴソと探る。おかしい。さっきは確かに入っていたピンク色の手紙がどこにもなかった。
サァッと血の気が引く。
まさか、落とした？
すぐさま探しに行こうと立ち上がろうとしたけれど、「イチャイチャしてるおふたりさん、そろそろ仕事よ」と先輩に声をかけられそれは叶わず。
それに反論する心の余裕もなく、早く休み時間が来いと願うばかりだった。
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林檎(プロフ) - え、これも神作品ですね。tnちゃん可愛すぎかよ。 (2020年5月26日 2時) (
レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - おいちこさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます；；最新作以外全て完結済ですので、ぜひ覗いて見てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年2月5日 17時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
おいちこ - こんなに面白いの読んだことないわ...！めっちゃ最高でした！神作品ありがとうございますぅぅっっ！！トントンさんのこともっと好きになりました。他の作品も読ませていただきますね！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 5e1cddc80f (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - しゅなさん» プロ結果頂き光栄です(涙)こちらも覗いてくださりありがとうございます！連載中の作品もお楽しみいただけたら幸いです( ´ ` *) (2020年1月1日 21時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
しゅな - はいプロ、神。これは…鼻血だらだらですわ。とんち可愛ええ！＋イケメン！…は？…僕もう…昇天したんやけどｗｗｗ (2020年1月1日 19時) (レス) id: e68f489c1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月20日 22時
