どんな人？ ページ13
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「俺もそんな見た事ないから詳しくは知らんけどやな、」
「うん」
「…あれは1回見たら忘れんタイプの美人やで」
「……うん」
手加減なしの右ストレートをくらう。
…ていうかわざとやってない？
「あとはそうやな〜…、清楚で純粋そ〜な感じのばちこりトンちのタイプの女やったわ」
「………ギブ！降参！」
頭の上で手を合わせる私に鬱がクスクスと楽しそうに笑う。絶対許さない。
「ごめんごめん、いじめ過ぎた」
楽しんでるじゃん、と小さく悪態をつけば、そんな事ないって、とヘラヘラ言われたのでやっぱり許さない。
でも、“清楚で純粋”というのは確かにトンちゃんにピッタリだな…と悔しながら納得。
ていうかそれ、本当に元カノなんだろうか。実際まだ付き合ってるのでは？と嫌な考えが頭をよぎる。
「いや、それは無いで。 そうやなかったらお前あん時連れ込み狼されてへんやろ」
「連れ込み狼って……まぁそうか…」
歓迎会の夜を思い出して苦笑い。今思えばあの時のトンちゃん、別人格を疑うほど積極的だったな…とその積極的さを今の私に譲渡して欲しい気分。
「てか今お昼やしここおるんちゃう？スミレちゃん」
立ち上がってくるりと当たりを見回す鬱。暫く右往左往見つめ、「あ、」と。
「あこ、見てみ。カウンターんとこ」
私も思わずガタリと立ち上がって鬱の目線の先を追う。
優しいブラウンの髪をふわりと揺らしながら隣の社員さんと談笑している、まさに清楚で純粋そうな人。
心做しかその人の周りだけキラキラとしたベールがかかっているように見えた。
「……うわぁ、超美人」
あまりの格の違いに、語彙力の溶けた感想が口からこぼれる。
トンちゃんが好きになった人はどんな人なんだろう、と気になっていたのは私だけど、レベルが高すぎて正直『知らなきゃよかった』というのが素直な感想である。
「じゃ、これからはAも清楚で純粋な女を演じるん？」
「ふふ、無理無理、秒でボロが出る」
冗談交じりの鬱の言葉に思わず笑う。
私が食べ終わるのを見計らって立ち上がり、よう分かってるやん、と。
「まぁ、あれやで？トンちの好きなタイプはああ言う女かも知らんけど、実際好きになるのは全然違うタイプの女かもしれんし」
「あれ？慰めてくれるんだ」
「何言うてんねん。俺はいつだって優しい男やったやん？」
軽口を言い合いつつ2人で食堂を後にする。
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その様子を離れた席でトンちゃんが見ていたことはお互い気づかず。
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林檎(プロフ) - え、これも神作品ですね。tnちゃん可愛すぎかよ。 (2020年5月26日 2時) (
レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - おいちこさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます；；最新作以外全て完結済ですので、ぜひ覗いて見てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年2月5日 17時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
おいちこ - こんなに面白いの読んだことないわ...！めっちゃ最高でした！神作品ありがとうございますぅぅっっ！！トントンさんのこともっと好きになりました。他の作品も読ませていただきますね！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 5e1cddc80f (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - しゅなさん» プロ結果頂き光栄です(涙)こちらも覗いてくださりありがとうございます！連載中の作品もお楽しみいただけたら幸いです( ´ ` *) (2020年1月1日 21時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
しゅな - はいプロ、神。これは…鼻血だらだらですわ。とんち可愛ええ！＋イケメン！…は？…僕もう…昇天したんやけどｗｗｗ (2020年1月1日 19時) (レス) id: e68f489c1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月20日 22時
