ランチタイム ページ12
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昼休み。
いつも通り鬱と2人で食堂の角の二人がけの席を陣取る。
「ていうかさ、ほんまに気づいて無かったん？」
「いや…だってそんなの有り得ないと思うじゃん…」
美味しいごはんを前にして叱られる私。なぜなのか。
鬱に爆弾発言を落とされた午前中、当然仕事なんてろくに手につかず、昼休憩のチャイムと共にさっさとオフィスを後にしてランチタイム。
あれからトンちゃんと特に会話することも無く。そもそも未だに事務的やり取りでない私的な会話をした覚えが数えられる程しかない。由々しき事態。
猪突猛進に突っ込むタイプであると自分では思っているけど、いざ2人になったときに一体何を話せばいいんだろう？と途端にIQ2になってしまうので無闇に話しかけることも出来ないでいる。
まさに八方塞がり。打つ手なし。
「うだうだしてたら取られんで〜」
「くっ……痛いところをつかれた…！」
「ライバル居らんわけじゃないねんで？」
意地悪くこちらを見つめる鬱に分かってるけどさ…とまた尻すぼみに返す。
ふと、この間声だけ聞いたあの元カノさんのことが頭をよぎる。この所、時折思い出してはズン、と胸が重くなる。
狭い部屋で二人きりでどんな話をしていたんだろう、とか、わざわざ元彼女と何を話すことがあるんだろう、とか、一旦考え出したらキリがないくらいマイナスな思考が流れ出てくる。
……そう言えば、鬱は元カノさんの事知ってるのかな。
マイナスな気分に落ちかけたのを振り切るように鬱に尋ねる。
「あぁ、知ってんで。 “スミレちゃん”やろ」
「あ、名前までご存知なんですね…」
一般常識のように毅然と言い放たれ、勝手に置いてけぼりをくらった気分。
さすがトンちゃんの元カノさんなだけあって名前まで美人なんだな…とまだ見たことの無いそのお顔をぼんやりと想像してみる。
『スミレ』の花言葉と言えば、『謙虚』『誠実』『貞節』、『愛』。
「あぁだめだ…！全く持って上回るステータスが無い…！」
「A、今相当おもろい顔してんで、」
向かいの鬱が社食のカレーをブフっと吹き出しているのにツッコむ余裕もなく頭を抱える。私のお弁当に少しかかったことにも今は怒る気力を持ち合わせていない。
未だ肩を震わせている鬱のスネをヒールでコツリと攻撃し、恐る恐る口を開く。
「その元カノさんて、どんな人なの…？」
「んー…どんなって言われてもなぁ…、」
暫くカレーのスプーンをクルクルと回しながら唸る鬱。
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林檎(プロフ) - え、これも神作品ですね。tnちゃん可愛すぎかよ。 (2020年5月26日 2時) (
レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - おいちこさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます；；最新作以外全て完結済ですので、ぜひ覗いて見てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年2月5日 17時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
おいちこ - こんなに面白いの読んだことないわ...！めっちゃ最高でした！神作品ありがとうございますぅぅっっ！！トントンさんのこともっと好きになりました。他の作品も読ませていただきますね！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 5e1cddc80f (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - しゅなさん» プロ結果頂き光栄です(涙)こちらも覗いてくださりありがとうございます！連載中の作品もお楽しみいただけたら幸いです( ´ ` *) (2020年1月1日 21時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
しゅな - はいプロ、神。これは…鼻血だらだらですわ。とんち可愛ええ！＋イケメン！…は？…僕もう…昇天したんやけどｗｗｗ (2020年1月1日 19時) (レス) id: e68f489c1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月20日 22時
