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十一月下旬から十二月にかけて、Aを含む学校推薦での受験を選んだ同級生は続々と合否通知を受け取っていた。先月中旬に面接を終えていたAもとうとう今日結果が届くのだと朝からそわそわと落ち着かない様子で過ごしていた。
この所毎日誰かしらの合否発表の日が続いていて三年の教室内は妙な緊張感や高揚感に満ちていたが、北にしてみればあくまでそれは他人事だった。けれど今日についてはその限りではない。
あまりにAが北の前で落ち着きに欠けていたということも多少理由にはあるが、大部分は北自身の気持ちの問題だった。要はAに対する肩入れの幅が他のクラスメイトとは段違いだったといったところだろうか。
北にとって他人事の筈のそれは夕方Webサイトにて閲覧出来るようで、Aは放課後進路指導室のパソコンで確認するのだと息巻いていた。あるいは部活の合間を縫って自分も直接この目でAの合否を確認できたらと大袈裟でもなくそんなことが薄らと頭に過ぎる程、少なくとも北にとって他人事ではない。
と、そんな個人的事情を抱えながらもそれを表に出さないのが北だ。平素通り体育館にて忙しく身体を動かしながら、束の間の休息時間。体育館脇に置いた籠の中のボトルに手を伸ばしそれを開けたとき、｢信介！｣と太い声に名前を呼ばれはっとして声の方へ顔を上げる。
｢なん、……っ｣
体育館の入口から聞こえた声は大耳のもので間違いなかった。が、｢なんやお前に用ある言うてんで｣とその大耳が身体をスライドさせた先に見えたシルエットに北は思わず目を丸くさせる。
体育館にいた部員たちも何事かと北の視線の先を追って目に入った来客に俊敏に北を二度見していた。北が入口へと足を進める中で『え、北さんの彼女…？』『あんな見た目でそりゃ無いやろ』なんてやり取りが耳に入り北は無意識にそちらへ鋭い視線を投げかけ部員は縮み上がる。
｢すまんな練。五分程頼んでええか｣
通常運転の表情らしい表情の無い顔でそう告げた北に大耳は了承の返事を返す他無かったが、内心疑問と驚きに満ちていた。北を呼んだことに礼を言うAに頷き踵を返す。
あの信介が部活中に練習を中断することを良しとする程、信介にとってAからの呼び出しは大事なものなのか。三年間で起こり得なかった何かが起きている、と自分含め未だほかんとしていた部員たちに練習に戻るよう促した。
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rry - 最高すぎます、、、表現もヒロインや北くんのキャラクターが大好きです、 (2021年11月14日 21時) (
レス) @page37 id: 7243f08c85 (このIDを非表示/違反報告)
間 - このお話の北さんやヒロインの考え方や言葉選びがとても好きです。贅沢を言えば文章が詰めすぎていて読みにくかったかなと。もう少し文章との間隔を空けていればとても素晴らしいです。 (2021年7月22日 17時) (レス) id: c2c5a94e17 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 悪者さん» 悪者様コメントありがとうございます！悪者様の善逸君のお話とても面白かったです…！こちら読んでいただけで光栄です(;_;)完結までお付き合い頂ければ嬉と思います( ´ ` *)ありがとうございました。 (2021年6月27日 8時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
悪者(プロフ) - このお話大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (2021年6月27日 2時) (レス) id: 7f9fad3ad1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - osmさん» コメントありがとうございます(;_;)是非完結までお付き合い頂ければ幸いです( ´ ` *) (2021年6月26日 23時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2021年6月19日 15時
