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25歳にもなって人前で大号泣する日が来るとは思わなかった。
ボロボロと泣きはじめた私にショッピくんはギョッとしたように目を見開き、「誰も見てへんよ」と体制をずらして私を死角に入れてくれた。
ショッピくんてこんなに優しかったっけ、と思いながらも、女である私は一概に弱っているときに優しくされることに弱いようだった。
「かえって、きても、目もあわせてくれなくて、」
「うん」
「ただいまって、言ってくれなくなって」
「うん」
「私、こんなに、好きなのに……」
もう、ダメなのかも。
そう呟いた私に、ショッピくんは口を開く。
「確かにそれだけ聞いとったら最悪やけど」
ぐずぐずと鼻をすすりながらショッピくんを見上げる。「うーん…」と頬杖をつきながら遠くを見つめるその横顔をじっと見ていれば。
「けど俺…信じられへんねんな。あんなにAにベタ惚れやったんに」
「でも、同棲したら変わるって、」
同期の彼女の言葉を思い出しながら小さく答える。
彼女も長らく付き合っていた彼氏と同棲してすぐに別れてしまったと言っていた。
私達も、そう遠くない未来でそうなってしまうのだろうか。想像したらまたじわりと涙が滲む。
「それにしたって変わりすぎちゃう？なんか理由があんのかなって疑っとるよ俺は」
「………、えぇ…そんなの私のこと嫌いになったでQEDじゃん……なんで追い討ちかけること言うの……」
「せやから、Aにそう思わせるための理由が他にあるんちゃうかなって」
私との接触をなるべく避ける理由？そんなの『好きじゃなくなった』で片付くじゃんか。
目を逸らしていたその可能性が頭にこびり付いて離れない。だけど、それを直接確認する勇気は私にはない。
もし本当に｢もう好きじゃない｣なんて言われてしまえば私は立ち直れないから。
「でも、まじで切羽詰まるくらいしんどなったらもう色々覚悟しときや」
「……、うん、わかってる」
このままこれが続けばきっと私が持たない。それはわかっているのに、私はどうしてもトントンくんが好きだった。
寧ろもう、その気持ちだけで日々こなしているようなものだった。
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yuriori12911(プロフ) - 感情移入しすぎて号泣しました。めっちゃ良かったですありがとうございます！ (2021年7月19日 17時) (
レス) id: 83dc3f3be9 (このIDを非表示/違反報告)
Ono - ヤバいtnさんと主人公ちゃんの様子がすごすぎる良いな僕も結婚したいなあ 少し遅いけど完結おめでとうございます 何年も誰も感づかないって逆にすごいな 面白かったです (2021年7月1日 21時) (レス) id: 349a20a4df (このIDを非表示/違反報告)
亞代(プロフ) - 初めまして。完結までお疲れ様でした！ リア設定での会話運び、ネタの進み、言葉選びまでどれも好きで好きでたまりませんでした。素敵な小説に出会えて本当に嬉しかったです。丁寧な文章に一読惚れ？してしまいました。過去作品を拝見しこれからも楽しませて頂きます！ (2021年5月31日 23時) (レス) id: ffc410049a (このIDを非表示/違反報告)
TAMA(プロフ) - 完結ありがとうございました。お疲れ様です。いつもはtnさんに振り回される主人公だったのが、今作は逆も見れてそれも凄く良かったです。二人とも可愛くて…！！ (2021年5月31日 16時) (レス) id: a53139177d (このIDを非表示/違反報告)
碧翔 - 更新停止になった時に、「完結しないのかな」とか思っちゃいました。でも、ランキング見て「あれ、更新ある！？」とか思って帰ってきました。完結おめでとうございます！新作待ってますね。 (2021年5月30日 22時) (レス) id: 0e1788e627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2021年2月16日 20時
