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確かに順序関係で言えばそっちが先だけども、早とちりした私は1人焦って変な汗をかいた。
で、同棲。彼は「怒る？」と聞いたけれど、別に怒りはしない。遅いよ！みたいな怒りはあるかもしれないが、それはこの際別にいい。
ただ、同棲するにあたって私には切っても切り離せない心配事がどうしてもあった。
「同棲、したいけど。…仕事の邪魔にならないかなーって」
仕事の邪魔というのは物理的に私が同じ家にいることによって起こる邪魔もあるけれど、例えば私の存在が彼のファンに露見した時の事とか、彼が誰かしらと同棲しているという事実が広まった時の事とか。
その責任や後対応を請け負うのは全てトントンくんで、万が一それを負わせてしまった時、私はいよいよ自害を視野に入れなければならない。
私の言葉の真意に気がついたのか、トントンくんは私の肩をグッと引き寄せ、その腕の中にすっぽりと収めた。
「あんまこういうこと言うたらAちゃんに気負わせてまうかなと思っててんけど、」
「…ん？」
「俺は、……俺は、Aちゃんの事が、一番大事やねんで」
へ、と顔を上げれば意思の強いトントンくんの瞳に射抜かれる。
今まではっきりと言われたことのなかった『一番』という言葉。不意打ちで彼の本心に触れ、私の頭は当然のことながら大パニックだった。
「……聞いとる？Aちゃん」
「き、聞いてる……、もう1回言って、」
「1番好きやって言うてんの。まだ言おか？」
ゾムくんやショッピくんに見せる笑顔とは全く別の、優しすぎるその眼差しと笑顔はすっぽり私を包み込んで、やけに素直に物を言う彼の体温に私は口をパクパクとさせ、顔から火が出そうだった。
「でも、Aちゃんは俺ん事一番じゃなくてもええねんで」
Aちゃんの好きにしたらええよ、と言う彼はまた私を優しく突き放す。違う、違うじゃん。私が求めてるのは、そういう優しさじゃない。
「………私もトントンくんが一番なんだけど…ダメなの？」
というより、貴方じゃなきゃダメなんですけど。
そう言って、私の言葉に頬を染めたトントンくんの顔をじっと見上げた。
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yuriori12911(プロフ) - 感情移入しすぎて号泣しました。めっちゃ良かったですありがとうございます！ (2021年7月19日 17時) (
レス) id: 83dc3f3be9 (このIDを非表示/違反報告)
Ono - ヤバいtnさんと主人公ちゃんの様子がすごすぎる良いな僕も結婚したいなあ 少し遅いけど完結おめでとうございます 何年も誰も感づかないって逆にすごいな 面白かったです (2021年7月1日 21時) (レス) id: 349a20a4df (このIDを非表示/違反報告)
亞代(プロフ) - 初めまして。完結までお疲れ様でした！ リア設定での会話運び、ネタの進み、言葉選びまでどれも好きで好きでたまりませんでした。素敵な小説に出会えて本当に嬉しかったです。丁寧な文章に一読惚れ？してしまいました。過去作品を拝見しこれからも楽しませて頂きます！ (2021年5月31日 23時) (レス) id: ffc410049a (このIDを非表示/違反報告)
TAMA(プロフ) - 完結ありがとうございました。お疲れ様です。いつもはtnさんに振り回される主人公だったのが、今作は逆も見れてそれも凄く良かったです。二人とも可愛くて…！！ (2021年5月31日 16時) (レス) id: a53139177d (このIDを非表示/違反報告)
碧翔 - 更新停止になった時に、「完結しないのかな」とか思っちゃいました。でも、ランキング見て「あれ、更新ある！？」とか思って帰ってきました。完結おめでとうございます！新作待ってますね。 (2021年5月30日 22時) (レス) id: 0e1788e627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2021年2月16日 20時
