君の話（３７） ページ38
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今日に限っては別々に帰った方がよかったんちゃうか、と考えてしまうほど、俺は今まで通りでいられる自信が無かった。
全部知ってたはずのその会話の内容は、最近彼女の口から好きな男の話を聞いていなかったことも相まって、俺に絶大なダメージをもたらした。できることなら、正直今すぐこの場から逃げたいほどに。
ただシラを切った俺はその会話を聞いていない体で振る舞わなければならなかったし、今例によって訝しげに俺を見ている彼女に上手く言い逃れをしなければならなかった。
「……どしたの、難しい顔して」
「わかるでしょ、テスト最悪でした」
「あー！忘れてたのに！やめてよー」
適当な誤魔化しにも彼女は上手く乗ってくれて「英語赤点だった」と肩を竦めていた。
彼女のいい所は鋭いけど騙されやすいところだろうか。俺の言うことなら何でも信じてくれる簡単な思考回路に今だけは感謝した。
「 やだね、勉強ばっかり」
「大してせぇへんやん」
「あ、バレた？」
「……アイス食うとるほうが好きですもんね｣
「ショッピ君と食べるアイスは格別です」
「俺に奢ってもらうアイスは、に訂正してください」
今だけは、その期待を煽る言葉にも反論してしまいたくなる。俺が望んでこの立ち位置に腰を据えていたはずなのに、今だけはどうしてもやるせなかった。
はぁ、と思わずため息がこぼれる。
それに気づいた彼女はそっと俺の顔を覗き込んで、何年経っても変わらない大好きな顔と目が合った。
それをあえて逸らさずじっと見続ける。
「………ショッピ君、私と一緒の色」
「あぁ……目？」
うん、と顔を寄せる紫苑色。そこに映る俺の瞳もそれと同じく淡く揺らいでいた。
お揃いの瞳をくるっと揺らした彼女は口元を綻ばせる。
「どこにいても見つけられるね」
「探さんでしょ、あんた」
「へへ、だってずっと横にいてくれるもん｣
そうでしょ？と口角を上げる彼女にそうですけど、とぶっきらぼうに返す。
それに満足気に微笑む彼女は、初めて少し不安げにそっと呟いた。
「………明日ね、アイツに告白するの」
「え？……いや、いつもしとるやないですか｣
謎に改まって言われたそれに首を傾げる。ただ、思い返せば『告白する』と明言されたことは初めてだった。
不思議そうな顔をしていた俺に気づいた彼女は言った。「待っててくれる？」と。
紫苑色の瞳を揺らして俺を見ながら、「これで最後にするから」とフッと気の抜けたように笑った。
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くろいるか - shpくん、、、ｗｗｗｗｗめっちゃ振り回されとるやないですかｗｗｗｗ (2022年10月11日 12時) (
レス) @page44 id: ebfe8bc644 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - は、え。わ、好きです…！夢主ちゃんのふわふわしてる感じの性格も好きだし、振り回されるshpくんも好きです…！ゆららさんの作品は全部タイプでしかありません…！神なんですか…？ (2022年5月8日 11時) (レス) id: d5d19811bb (このIDを非表示/違反報告)
のあちゃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！いやぁ、ショッピくん頑張った！www天然な感じの夢主ちゃんに振り回されるショッピくんが可愛かったですw最初から最後まで楽しんで読ませていただけました！次作も楽しみにしてます！！ (2021年2月16日 23時) (レス) id: 81ad50d586 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - とても大好きです…！もしや夢主ちゃん全ては計算なのでは…？とも考えましたが、とても天然で嫌味のない感じが大好きです！振り回されるshpくんにもとてもキュンキュンします！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: 1952a00ad3 (このIDを非表示/違反報告)
みゃび - 誤字りました！！大変だと思うので無理せず頑張ってください！！この時期ですのでお体にもお気をつけて！！応援してます！！！！ (2020年10月30日 14時) (レス) id: 37d62a8c82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年9月24日 22時
