君の話（３６） ページ37
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隠し事をされているのでは、と考え立った日からしばらくしても、相変わらず彼女は好きな男の話を俺にすることは無かった。
別にされたかったわけじゃないけれど、聞き役だった俺の役目をもしかしたら違う奴が担っているのでは、と考えると妙に落ち着かなかったのだ。
まぁ最も、彼女に新たな交友関係が築かれているのだとしたら俺はすぐに勘づくと思うが。
今日も変わらずその人が待つ教室へ向けて階段を上っている最中で、その扉を開けば「ショッピ君〜」と間抜けな顔で俺に手を振る情景がアリアリと浮かんでいた。
が、俺はその扉の前で立ち止まっていた。
「向こうももうあんたのこと好きじゃん、知ってるでしょ」
「んー……まぁ、そうだけど」
「じゃあもう気にせずさっさとくっつけば？」
「…でも、なぁ……」
中から漏れ聞こえる会話に、足が動かなかった。…そして、彼女の隠し事の全貌も分かった。
俺の知らぬ間に、やっぱり好きな男と両想いになっていたのだ。
そして案の定、彼女は俺への情から付き合うことを躊躇っていたらしい。口篭る声が聞こえてヒシヒシとそう感じた。
「あの人モテるでしょ？さっさと捕まえとかないとまた同じ道辿るよ」
「それは困るなぁ…妬いちゃう」
「大体、最初からずっと好きだったくせに｣
「言わないでよ、内緒にしてるんだから」
彼女の好きな男はいつも女を周りに侍らせているんだと彼女の口からそう聞いた。
それでもそんな男のことを彼女は好きなのは知っていた。…最初から俺に傾く気など無いことも、わかっていた。
なのに、いざそう口に出されてしまうとズン、と胸が重たくなった。
手を繋ぐことも、抱きしめることも、「いなくならないで」と言われることも、全部愛惜がそうさせていると分かっていたし、俺自身割り切っていたつもりだった。
でも、俺はそこまで器用な人間じゃ無かったようで。
彼女に触れたぶんだけ期待していた。触れる事を許されていたことに期待していた。「いなくならないで」もその言葉のどこかに″好きだから″の真意がないか探していた。
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「________帰りますよ、Aさん」
ガラッと開け放った教室の扉、入ってきた俺に目を丸くさせた彼女と先輩。
「いつから聞いてた？」なんて探るような先輩の言葉に、「なんの話すか？」と最後までシラを切り通した。
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くろいるか - shpくん、、、ｗｗｗｗｗめっちゃ振り回されとるやないですかｗｗｗｗ (2022年10月11日 12時) (
レス) @page44 id: ebfe8bc644 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - は、え。わ、好きです…！夢主ちゃんのふわふわしてる感じの性格も好きだし、振り回されるshpくんも好きです…！ゆららさんの作品は全部タイプでしかありません…！神なんですか…？ (2022年5月8日 11時) (レス) id: d5d19811bb (このIDを非表示/違反報告)
のあちゃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！いやぁ、ショッピくん頑張った！www天然な感じの夢主ちゃんに振り回されるショッピくんが可愛かったですw最初から最後まで楽しんで読ませていただけました！次作も楽しみにしてます！！ (2021年2月16日 23時) (レス) id: 81ad50d586 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - とても大好きです…！もしや夢主ちゃん全ては計算なのでは…？とも考えましたが、とても天然で嫌味のない感じが大好きです！振り回されるshpくんにもとてもキュンキュンします！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: 1952a00ad3 (このIDを非表示/違反報告)
みゃび - 誤字りました！！大変だと思うので無理せず頑張ってください！！この時期ですのでお体にもお気をつけて！！応援してます！！！！ (2020年10月30日 14時) (レス) id: 37d62a8c82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年9月24日 22時
