君の話（３０） ページ31
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無邪気な彼女と作りもののように綺麗な彼女との狭間で、彼女が寂しいときは俺が慰め、「ギュッてして」と言われれば言われた通りに涙の滲む彼女の身体を抱き寄せた。
けれど、それだけ。
彼女の中にある俺への気持ちは愛惜だけで、″ショッピ君がいなくなったら寂しい″というそれだけの思いがそうさせていた。
そんな中、「私がいなくなったらショッピ君が寂しがる」とお気に入りの言葉は未だ健在だった。
俺は彼女の傍にいれたらもうそれで良かったし、その涙を拭って俺で寂しさを埋めてくれれば本望だった。…全く付き合いたくないと言えば嘘になるが。
諦めたわけじゃないんやけどな、とグルグルと考え込みつつ、今日もいつも通り彼女のクラスへと足を運び、ガラリと教室の扉を開けた。
「_______ん？あれ、Aと帰ったんじゃなかったの？」
「え、？今日まだ会うてませんけど…」
扉の先にいたのはいつか話したの彼女の友達である先輩で、俺を見て首を傾げた。
見回した教室の中に確かに彼女の姿は見えず、いつもなら俺を見てヘラりと手を振りながら名前を呼ぶその声も聞こえない。
「あ、本当だ。まだカバン置いてある」
「どこ行きはったんすか？あの人」
毎日俺が来ることを知っている彼女はいつも教室で待っていてくれるのだけど。
俺の問いに首を傾げた先輩は時計を見て、また眉を寄せる。
「そういえばもう30分くらい戻ってきてない……だから私、てっきり帰ったもんだと思って」
「道に迷っとるんちゃいます？」
「ぶっ！有り得る！アホだもんね」
探してきます、と彼女のカバンを肩にかければ、その拍子にゴトリと鈍い音が響く。
「あー、やっぱり携帯置きっぱなし」
カバンから滑り落ちたなんの飾り気もないカバーすら着いていない携帯を拾い上げた先輩。「誰の番号も登録してないんだって」と肩を竦め、それを差し出される。
____……「え？」とその言葉に思わず聞き返す。
だって俺、あの人の電話番号もアドレスも、全部知っとるのに。
「知ってるの？Aの、」
「え、はい、…割と知り合ってすぐ教えてもらいましたけど」
「嘘でしょ？私も知らないんだけど…」
驚愕、と文字通りの顔をする先輩。
そして「あーあ…ほんっとあの子は…」と呆れ顔。
「………探してきてやって。ほんと、どうしようもない子だから」
「ふ、知ってますよ」
先輩の言葉に肩を竦める。
どうしようもないアホな人をまともに扱えるのも、俺くらいだから。
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くろいるか - shpくん、、、ｗｗｗｗｗめっちゃ振り回されとるやないですかｗｗｗｗ (2022年10月11日 12時) (
レス) @page44 id: ebfe8bc644 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - は、え。わ、好きです…！夢主ちゃんのふわふわしてる感じの性格も好きだし、振り回されるshpくんも好きです…！ゆららさんの作品は全部タイプでしかありません…！神なんですか…？ (2022年5月8日 11時) (レス) id: d5d19811bb (このIDを非表示/違反報告)
のあちゃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！いやぁ、ショッピくん頑張った！www天然な感じの夢主ちゃんに振り回されるショッピくんが可愛かったですw最初から最後まで楽しんで読ませていただけました！次作も楽しみにしてます！！ (2021年2月16日 23時) (レス) id: 81ad50d586 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - とても大好きです…！もしや夢主ちゃん全ては計算なのでは…？とも考えましたが、とても天然で嫌味のない感じが大好きです！振り回されるshpくんにもとてもキュンキュンします！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: 1952a00ad3 (このIDを非表示/違反報告)
みゃび - 誤字りました！！大変だと思うので無理せず頑張ってください！！この時期ですのでお体にもお気をつけて！！応援してます！！！！ (2020年10月30日 14時) (レス) id: 37d62a8c82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年9月24日 22時
