君の話（１５） ページ16
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彼女と帰宅を共にして数年、初めての沈黙だった。それも気まずいほうの。
俺は相も変わらずそっぽを向いている彼女の言葉の真意が読み取れず、頭は大混乱。
またいつもの俺の反応を楽しんでいるにしては些かしつこすぎるその長い不機嫌タイムは不自然だった。
そもそも彼女の不機嫌な顔なんて、大好きなバニラアイスが売り切れていた時やテストの点数が悪かった時など、総じてしょーもないときにしか見たことがなかったのだ。それも、決まってたった一瞬。
次の瞬間にはヘラっと何も気にしていなかったかのように振る舞うのが常だった。
それなのに今。
らしくない感情を全面に押し出した彼女に俺はタジタジだった。しかも、その怒りの理由も理由だったから。
「……怒ってんの？」
「怒ってる！私、怒ってます！」
「なんで怒ってんの？」
「え、」
特に何も考えずに発した俺の言葉にピタリと動きを止めた彼女。道路の真ん中で急に立ち止まったので、慌てて「危ないやろ」と言って固まったその手を引いて脇に移動した。
されるがままに俺に手を引かれ着いてきた彼女。そして手を離そうとすれば、何故かググッと力を込めて掴まれる。
……あぁ、離すな、と。…いや、なんでなん？
「どうしたんすか、誰かと間違えてます？｣
「………これは、ショッピ君だ」
「そうですね、正解ですよ」
「…………しょっぴくん…」
難しい顔をして俺の手を揉み込む彼女。
彼女の細く白い指が触れる手は全神経が集中していて、彼女の意味不明な言動も相まって気を抜けば益々沈黙が落ちるばかりだった。
けれど俺は、どうしてもひとつ確認しなければならない。気になって仕方なかった事を、聞かなければ。
「Aさん、俺に会えへんくて寂しかったん？」
「っ！なっ、今名前で呼ぶのどうかと思う！」
「ええから答えてや、」
再度、掴まれた手を逆にこちらから包み込んで問う。
揺れた瞳には、俺が映る。同じ紫苑色の瞳をした、俺だけが映る。
「ショッピ君、いないと……帰り道、わかんなくなっちゃうから、私」
「ふは、生まれた時から同じ家なんに？」
「いいからちゃんと迎えに来て！私のこと放置するの禁止だもん」
勝手に他の子のとこ行っちゃダメ、なんて可愛い三銃士みたいな言葉を立て続けに投げかけられ、俺は混乱する頭と高揚感を落ち着けるためにひとつ深呼吸をした。
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くろいるか - shpくん、、、ｗｗｗｗｗめっちゃ振り回されとるやないですかｗｗｗｗ (2022年10月11日 12時) (
レス) @page44 id: ebfe8bc644 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - は、え。わ、好きです…！夢主ちゃんのふわふわしてる感じの性格も好きだし、振り回されるshpくんも好きです…！ゆららさんの作品は全部タイプでしかありません…！神なんですか…？ (2022年5月8日 11時) (レス) id: d5d19811bb (このIDを非表示/違反報告)
のあちゃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！いやぁ、ショッピくん頑張った！www天然な感じの夢主ちゃんに振り回されるショッピくんが可愛かったですw最初から最後まで楽しんで読ませていただけました！次作も楽しみにしてます！！ (2021年2月16日 23時) (レス) id: 81ad50d586 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - とても大好きです…！もしや夢主ちゃん全ては計算なのでは…？とも考えましたが、とても天然で嫌味のない感じが大好きです！振り回されるshpくんにもとてもキュンキュンします！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: 1952a00ad3 (このIDを非表示/違反報告)
みゃび - 誤字りました！！大変だと思うので無理せず頑張ってください！！この時期ですのでお体にもお気をつけて！！応援してます！！！！ (2020年10月30日 14時) (レス) id: 37d62a8c82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年9月24日 22時
