君の話（１４） ページ15
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彼女がマイナスな感情を表に出すのはいつも一瞬だけだった。
悲しい、寂しい、つらい、という表情を笑顔で誤魔化そうとするその一瞬のタイミングを、俺は絶対に見逃さないようにしていた。
大体この人がいつそういう顔をするのかはもう熟知しているし、加えてその一瞬の彼女の本心に気がつくのもきっと世界中で俺だけだった。彼女にそんな顔をさせるどこの誰かもわからない男は、彼女がいつもそれを抱えていることはきっと知らないから。
だけど、とある日の帰り道。
珍しく彼女はずっと不機嫌そうに頬を膨らませていた。
昨日俺は同級生の女子に真剣な面持ちで呼び出されていて、大体予想の付いていたそれはやっぱり告白。そのせいで高校に入ってやたらと口にしていた「好きな人おるから」という台詞を昨日も口にする羽目になったのだけど。
それは別にどうでもよくて、結果俺はそのイベントのせいで昨日この人の顔を見れていなかったのだ。
つまり、昨日は一緒に帰れなかった。
だから、今隣で彼女がぶすくれている理由もよく分からない。…が、明らかに「反応しろ」というオーラを振りまくこの人を無視するのにもそろそろ限界が来ていた。放置時間的な意味で。
「生理なん？」
「それもある」
「あるんや」
しかも言うんや、と予想外の返しに心の中でツッコミを入れていれば、「なんでわかんないの！？」と面倒臭い彼女のような台詞を投げつけられる。
例によってこの人から飛び出したそれを面倒臭いとも思わない俺は素直に心当たりを探るものの、いまいちピンとこない。
けど、なんでわかんないの、と言われたところを見るとその不機嫌の原因は俺にあるようで。昨日は接触してないから何もしようがないのだけど。
…と、そこまで考えてふと思い当たる。
「……昨日一緒に帰れへんかったこと、根に持ってます？」
「………それもある」
「まだあるんか！」
多すぎやろ、と思わず口に出したのと同時、しれっと一緒に帰れへんかったこと気にしててくれたんや、とこの状況を棚に上げてじわじわと口角が上がりかける。
と、遂に我慢ならなくなったのか、彼女は膨らませた頬をぷしゅっと萎ませて、キッと俺を睨んだ。
「昨日、私と一緒に帰ってくれなかったくせに、なんか可愛い子と喋ってた」
「え？見てたんすか、それ」
「別にたまたま！」
ブンブンと腕を上下に振って渾身の怒りを顕にしているらしい彼女に、俺は1人高鳴った心臓を落ち着けるのに精一杯だった。
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くろいるか - shpくん、、、ｗｗｗｗｗめっちゃ振り回されとるやないですかｗｗｗｗ (2022年10月11日 12時) (
レス) @page44 id: ebfe8bc644 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - は、え。わ、好きです…！夢主ちゃんのふわふわしてる感じの性格も好きだし、振り回されるshpくんも好きです…！ゆららさんの作品は全部タイプでしかありません…！神なんですか…？ (2022年5月8日 11時) (レス) id: d5d19811bb (このIDを非表示/違反報告)
のあちゃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！いやぁ、ショッピくん頑張った！www天然な感じの夢主ちゃんに振り回されるショッピくんが可愛かったですw最初から最後まで楽しんで読ませていただけました！次作も楽しみにしてます！！ (2021年2月16日 23時) (レス) id: 81ad50d586 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - とても大好きです…！もしや夢主ちゃん全ては計算なのでは…？とも考えましたが、とても天然で嫌味のない感じが大好きです！振り回されるshpくんにもとてもキュンキュンします！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: 1952a00ad3 (このIDを非表示/違反報告)
みゃび - 誤字りました！！大変だと思うので無理せず頑張ってください！！この時期ですのでお体にもお気をつけて！！応援してます！！！！ (2020年10月30日 14時) (レス) id: 37d62a8c82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年9月24日 22時
