42話 ページ42
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結局遅刻ギリギリで会社に滑り込み、朝から1人で運動会並の全力疾走をかました私はゼェゼェと息を切らせつつデスクに突っ伏した。
「何してんの？お前」
「……､ちょっと…野暮用で……」
温度差を感じる冷ややかな目を向けるコネシマくんにしどろもどろで言い訳をしつつ、「朝からえらい元気やのぉ」とバカにしたように笑われて今日が始まって早々腹が立った。
何故私がこんなに息を切らせているかと言えば紛れもなく鬱くんのせいで、私に時間の経過を忘れてさせた挙句に当本人は「俺今日半休取っとんねん」とあっけらかんと言い放たれ拍子抜け。
いっそ私も休めばよかった、と思ったものの、昨日は早めに帰宅したことによりコネシマくんに迷惑をかけたことを思い出して踏みとどまった。
「じゃ、昨日はさぞかし盛り上がったんやろなぁ」
「は？」
思わずガバッと顔を上げれば、ニヤニヤ顔と目が合う。
「昨日ショッピくんが言うてきてん。メンヘラみたいな鬱兄さん丸投げしてきましたって」
「ない！何も無いから！」
「いやいやお前、何もってことはないやろぉ？さすがに」
じゃあなんでこんな時間に滑り込んできてん、と言われれば何も言えない。単純に、永遠に引っ付いてくる鬱くんを振りほどくのに時間を要したというだけなのだけど。
何があったか話せ、と面白おかしく囃し立てる気満々の顔に言い逃れは出来ないと悟り、端的に掻い摘んで説明する。
「……昨日、べろべろの鬱くんが家に来てそのまま告白されて、今朝付き合いましょうという運びになっただけです、」
「で？ヤッたんか？」
「だからヤッてないって言ってんじゃん！｣
オフィスにいる先輩たちが一切に振り返り聞き耳を立てた気配を一身に感じ、社会人らしからぬ最悪なことを大声で叫んでしまったことに頭を抱えた。最悪だ、明日から居場所がない。
遂に盛大に吹き出したコネシマくんはその後も永遠に肩を震わせまくっていて、皮肉にも最初からコネシマくんが言ってた通り、結局私は鬱くんと付き合うことを選んだのがなんだか尺に触った。
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赤月セレン(プロフ) - コメント失礼します。物凄くお話にのめり込んで一気に読んでしまいました…とても良くてもう好きです（笑）tnさんの方の小説も楽しみに読ませて頂きますね。素敵なお話をありがとうございます、更新お疲れ様でした。 (2021年3月6日 22時) (
レス) id: f86cb701a2 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - ずきゅん (2020年8月28日 1時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
おいちこ(プロフ) - 完結おめでとうございます＆ありがとうございますっ！！凄い、素敵でした...2人が幸せに結ばれて、私も幸せですぅ...ニヤニヤ止まんなかったですぅ...新作も読ませていただきますぅぅ...!!!!更新、頑張ってください！！ (2020年4月25日 13時) (レス) id: 5a28085a2a (このIDを非表示/違反報告)
やち(プロフ) - 完結おめでとうございます！生活感のある日常に散りばめられたもどかしさと時々挿まれるドキッとする描写のバランスがたまらず、更新のたびにとても楽しく読ませていただきました。ゆららさんのsyp君がまた素敵で転がるほど好きでした…！次回作も楽しみにしています！ (2020年4月25日 6時) (レス) id: 6f58a85157 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - かげでこそこそと見させて頂いておりました。なんとも言えない大人のもどかしさがまた純愛のようなものが感じられてとても良い作品でした。完結おめでとうございます。 (2020年4月25日 2時) (レス) id: bbf23e1c65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月22日 1時
