10話 ページ10
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カラカラとお店の引き戸を開け1歩外へ出る。
夜の冷たい空気が火照った頬を掠めて気持ちよさに少し目を閉じた。
時刻はもうすぐ日付けが変わる頃。
お開きとなりガヤガヤとみんなでお店を出た。他のみんなはまだ話し足りないのか、ゾムくんを中心に未だ仲睦まじく盛り上がっているようで。
それを少し離れたところでぼんやり眺める。
今日は、初対面の私にもみんなたくさん声をかけてくれた。1日でこんなに知らない人と話したのは久しぶりの事だった。
だけど、まだ少し輪の中に入るのは引け目を感じてしまう。積み上げてきた絆の差だから仕方ないのだけど、なんとなく、少しだけ羨ましい。
その輪の中でトントンくんがみんなに何事かを言われているのを見ながら、駅まで歩いてどのくらいかな…と指折り計算していれば。
「A！俺ら今から2軒目行くからトントンに送ってもらい」
「へっ？」
「ゾムお前ぇ！勝手なこと言うとんちゃうぞ！」
「ええやんええやん！じゃ、Aん事頼んだで、」
嵐のように過ぎ去っていったゾムくんを目をぱちくりさせながら見送ることしか出来ず、遠くの方でこちらに手を振ってくれているお友達に条件反射でやわやわと手を振り返した。
途端、辺りが静かになる。時たま通る車のエンジン音を何台か見送った後、トントンくんが口を開いた。
「……すまん、ゾムのほうが良かったやろ」
「え！？ううん、全然そんなことない！」
静かな声でそう言ったトントンくんの言葉を手をブンブン振って慌てて否定する。
「やけど、知らん男と夜2人で歩くん怖ない？」
「え？知ってるよ、私。トントンくんのこと」
「いやせやけど…そういうことやなくて…」
歯切れ悪く言葉を噛むトントンくんに首を傾げれば、「あぁもうええわ、」と諦めたように笑われた。
「トントンくんこそ良かったの？2軒目」
「あぁ、…今日はええねん、気にすんな」
「そっか。お酒飲むと眠くなっちゃうもんね」
「まぁせやな……あ、電車乗るまで寝んといてや？」
「へへ、任せて」
ガッツポーズを送れば、優しく微笑まれる。と、その顔にさっき感じたぽわぽわと暖かいものが胸いっぱいに広がった。
これは、お酒のせい？
チラリとトントンくんを見ればパチリと視線が合ってしまい、何故だか反射的に目を逸らしてしまった。
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猫 - 主さんの語彙力がありすぎてめっちゃ物語を楽しめました！ 好みすぎる物語でキュンキュンしながら読み進めて1時間足らずで読み終えました！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月31日 0時) (
レス) @page43 id: 2d8f825918 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 夢主ちゃんが純粋すぎてかわよ、、、zmニキのメッセージ直球wwwむっちゃ面白かったです！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - jiruさん» いつもありがとうございます( ´ ` *)そう言っていただけるとすごく励みになります、嬉しいです（ ; ; ）最後までお付き合いありがとうございました！新作も遊びに来ていただけたら嬉しいです( ´ ` *) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
jiru(プロフ) - 完結おめでとうございます。今回の作品も楽しませてもらいました！素敵な作品をありがとうございます。ゆららさんの作品はほんとに大好きなのでこれからも、楽しんで読ませてもらいます！！お体に気を付けてお過ごし下さい。 (2020年3月22日 22時) (レス) id: fc77c998f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - Near(ニア)さん» 完結までお付き合いいただきありがとうございました。次回作も心に留まるようなものを作れるよう精一杯頑張りますので、ぜひ遊びに来てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年3月22日 19時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月1日 0時
