9話 ページ9
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数時間後。
慣れないお酒で口を湿らせながら、両隣のトントンくんと大先生の質問攻めに相槌を打つマシーンと化している私。
「え、じゃあずっと女子高通っとったん？」
「うん、高校までずっと。だから共学は初めてで」
「はぇー。お嬢やんけ」
驚いたように尋ねる大先生に、感嘆の声を漏らすトントンくん。
『お嬢』なんて言われるほどの淑女でもないけれど、女子高と言うとなんとなくそういうイメージなのかなと考えた。
「トントン、そいつ全然お淑やかちゃうで」
不意に前の席から口を挟んだゾムくん。いつから話を聞いていたのか、いつものようにニヤニヤと怪しい笑みを浮かべながらこちらを見ていた。
「そうだよ、好きな食べ物ラーメンだし」
ゾムくんの言葉に頷く。高校の頃は友達とラーメンを食べに行く事もそうそうなかったし、『友達と食事を共にする』というその行為も含めて私はラーメンが好きだった。最もラーメンに限らずとも、ゾムくんと食べるご飯はいつも美味しいのだけど。
「ただの学食のラーメンやのに毎回幸せそうに食っとるもんな」
「へへへ、大好物」
いつものようにゾムくんと会話のレスポンスを交わしていれば、視界の端で大先生が不思議そうに首を傾げた。
「2人えらい仲良しやけど…付き合っとるわけちゃうよな？」
「無理無理！こいつガード硬いねんもん」
お手上げのポーズでそう言うゾムくんに周りから笑いが巻き起こる。同時に大先生は「あー…確かに…」と謎の納得をしていた。
ガードが硬いって、まるでゾムくんが私にアプローチしてるような言い方だけど、ゾムくんは基本的に女の子だったら誰でもいいと思っているので私を巻き込む言い方はやめてほしい。
すると「じゃあさ！」と嬉嬉として私を見る大先生は興味津々と言った声で私に尋ねた。
「今日のメンバーで、Aちゃんの好きなタイプは？」
「好きなタイプ……」
大先生の言葉を反芻させて考え込む。
大先生とトントンくんと、数名のお友達。好きなタイプと言われるとこれと言って思い浮かばないけれど、他の人と違うと感じるのはたった1人だった。
「えーと……トントンくん」
私の呟きに「ブッ」と吹き出しむせ返るトントンくん。
一連の流れに大盛り上がりとなってしまった私達の席。チラリと盗み見たトントンくんの顔は、お酒のせいかお開きになるまで赤いままだった。
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猫 - 主さんの語彙力がありすぎてめっちゃ物語を楽しめました！ 好みすぎる物語でキュンキュンしながら読み進めて1時間足らずで読み終えました！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月31日 0時) (
レス) @page43 id: 2d8f825918 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 夢主ちゃんが純粋すぎてかわよ、、、zmニキのメッセージ直球wwwむっちゃ面白かったです！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - jiruさん» いつもありがとうございます( ´ ` *)そう言っていただけるとすごく励みになります、嬉しいです（ ; ; ）最後までお付き合いありがとうございました！新作も遊びに来ていただけたら嬉しいです( ´ ` *) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
jiru(プロフ) - 完結おめでとうございます。今回の作品も楽しませてもらいました！素敵な作品をありがとうございます。ゆららさんの作品はほんとに大好きなのでこれからも、楽しんで読ませてもらいます！！お体に気を付けてお過ごし下さい。 (2020年3月22日 22時) (レス) id: fc77c998f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - Near(ニア)さん» 完結までお付き合いいただきありがとうございました。次回作も心に留まるようなものを作れるよう精一杯頑張りますので、ぜひ遊びに来てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年3月22日 19時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月1日 0時
