42話 ページ42
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次の日、夕日の差し込む図書館の中。
今日は朝目が合った瞬間からゾムくんに質問攻めにされ、いつもの倍以上口を動かしたような気がする。
昨晩、『トントンくんと付き合うことになった』というメッセージをゾムくんに送った瞬間、エラーメールかと思うくらいの速度で返ってきたその返信は、『ヤッたんか？』で、返信する気になれずにそのまま見なかったことにした。
そして今日このあと、2人まとめて色々聞いたるから焼肉屋に集合や！とトントンくんと2人召集がかかり、私は待ち合わせ場所の図書館でいつもの如くパソコンを眺めているわけだ。
ゾムくんは例によって教授にお呼び出しを受け、珍しく隣に彼の姿はない。
ついでに私はレポート作成画面を開いてはいるものの、昨晩の余韻が頭と身体を支配している今、当然ながら1文字も埋まっていない。
死ぬほど私が好きだ、と言ったトントンくんは昨晩それこそ死ぬほどかっこよくて、平常のテンションに戻った今、また顔を直視できない問題に直面している。
素数を数えよう…と意味があるのかないのか分からずとりあえずやっていれば、「あれ？Aちゃん1人け？」と言って先に来たのはよりによってトントンくんだった。
「……あれ？顔赤ない？」
「き、気の所為」
昨日の事を思い出していました、と正直に言うのは恥ずかしいので笑って誤魔化す。
それをなんとなく察したのか「可愛ええなぁ」と頭を撫でられた。
そして私の隣の椅子を引いた彼はそこへ腰を下ろして頬杖をつき、私の顔を覗き込む。
「……えっと、なんでしょう…」
「いや？なんか、俺のもんになったんかー、と思って」
ニコニコと楽しそうなトントンくん。
流れた髪を耳にかけられた時に触れた指に昨日のこそばゆい感覚と、そう言えば眼鏡をかけたままだった、という2つのことを思い出させて慌てて顔を背けた。
そない照れんでも、と笑う声が聞こえて俯けば、不意に「Aちゃん、」とふわりと名前を呼んだ彼。
「顔上げてや」
「む、無理、」
「眼鏡かわいいで？」
「っ……」
「好き」
「…っ、もぉ、やめて、」
白旗を上げた私は抗議しようと顔を上げると、ふわっと彼の匂いに包まれ視界がトントンくんの顔で覆われる。
目を瞑ることも忘れた突然のキス。
ファーストキスを教えてくれた彼は、今日も私に沢山の″初めて″を教えてくれる。
【ファーストキスを教えて】
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猫 - 主さんの語彙力がありすぎてめっちゃ物語を楽しめました！ 好みすぎる物語でキュンキュンしながら読み進めて1時間足らずで読み終えました！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月31日 0時) (
レス) @page43 id: 2d8f825918 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 夢主ちゃんが純粋すぎてかわよ、、、zmニキのメッセージ直球wwwむっちゃ面白かったです！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - jiruさん» いつもありがとうございます( ´ ` *)そう言っていただけるとすごく励みになります、嬉しいです（ ; ; ）最後までお付き合いありがとうございました！新作も遊びに来ていただけたら嬉しいです( ´ ` *) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
jiru(プロフ) - 完結おめでとうございます。今回の作品も楽しませてもらいました！素敵な作品をありがとうございます。ゆららさんの作品はほんとに大好きなのでこれからも、楽しんで読ませてもらいます！！お体に気を付けてお過ごし下さい。 (2020年3月22日 22時) (レス) id: fc77c998f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - Near(ニア)さん» 完結までお付き合いいただきありがとうございました。次回作も心に留まるようなものを作れるよう精一杯頑張りますので、ぜひ遊びに来てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年3月22日 19時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月1日 0時
