41話 ページ41
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最初はやわやわとその感触を確かめるように啄まれていた唇は、徐々に深く重なっていき、お互いの境界線を曖昧にしていく。
服をキュッと掴みながらされるがままになっていた私を、トントンくんは背中を支えながらゆっくりとベッドに沈み込ませた。
じんじんと熱を帯びる唇が離れたと思えば髪を梳いて耳を甘噛みされ、感じたことの無いその刺激にビクッと肩が震えて出したことも無い声が漏れる。
「ん、……これええの？」
「ひ、っまって…ん、っ」
ツツ、と形をなぞるように舌先が動いてゾクゾクする。
痺れにも似たそれは全身を駆け巡り、その感覚に耐えきれず、頬を滑るトントンくんの手をギュッと掴んだ。
「……きもちい？」
「よく、わかんない……」
頭がぼんやりする。脳が上手く働いていない私に何度目か分からないキスを落とす彼は同時にクルクルと私の耳を弄び、こそばゆいようなその刺激に塞がれた口からも声が漏れた。
「優しくやったろって思っててんけど……ちょっと自信なくなってもうた」
「え？」
怖いことを言うトントンくんに、優しくされたいと訴えれば「それ、逆効果」と不敵に笑われる。
「せや、俺にまともな判断力が残ってるうちに言うとくねんけど」
「ん…なに？」
「俺、死ぬほど好きやで、Aちゃんのこと。…あ、友達としてやなくて、彼女にしたいって意味でな？」
微睡む頭が一気にクリアになる。
へ、と間抜けな声が出て、変な顔なっとる、とそれを見てトントンくんが笑った。
「待って……本当に…？」
「嘘なんかつくか。というか今までの俺の行動見とればAちゃんのこと好きやって丸わかりやと思うねんけど」
ほんまに気づかんかったん？と怪訝な顔のトントンくん。
私が最初にキスを受け入れたのは、私が彼を好きだから。彼が最初にキスをしたのも、彼が私を好きだったから。
そう実感した瞬間、堪らなくなってトントンくんに抱き着いた。
「っわ、大胆やな、Aちゃん」
「へへ…だって、私もトントンくんのこと大好き」
「ふふ、知ってんで？そうじゃなかったらここまでせぇへんし」
「え……ずるい！」
悪戯っぽく笑う彼にむくれれば、ふわりと微笑まれまたキスが降ってくる。
「じゃ、Aちゃんの合意も取れたし……もう遠慮せぇへんで」
「や……優しくで…、」
「あかん、無理。だからAちゃんは___」
俺の事だけ考えとって、と呟いたのを最後、私は言われた通りにしながらトントンくんに身を委ねた。
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猫 - 主さんの語彙力がありすぎてめっちゃ物語を楽しめました！ 好みすぎる物語でキュンキュンしながら読み進めて1時間足らずで読み終えました！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月31日 0時) (
レス) @page43 id: 2d8f825918 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 夢主ちゃんが純粋すぎてかわよ、、、zmニキのメッセージ直球wwwむっちゃ面白かったです！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - jiruさん» いつもありがとうございます( ´ ` *)そう言っていただけるとすごく励みになります、嬉しいです（ ; ; ）最後までお付き合いありがとうございました！新作も遊びに来ていただけたら嬉しいです( ´ ` *) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
jiru(プロフ) - 完結おめでとうございます。今回の作品も楽しませてもらいました！素敵な作品をありがとうございます。ゆららさんの作品はほんとに大好きなのでこれからも、楽しんで読ませてもらいます！！お体に気を付けてお過ごし下さい。 (2020年3月22日 22時) (レス) id: fc77c998f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - Near(ニア)さん» 完結までお付き合いいただきありがとうございました。次回作も心に留まるようなものを作れるよう精一杯頑張りますので、ぜひ遊びに来てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年3月22日 19時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月1日 0時
