37話 ページ37
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それから時間通り労働を終えて、さて帰ろうと出口へ足を進めようとすれば、数時間前と同じ席にまだコネシマくんと大先生がいた。
仲良いなぁ、と声をかけてから帰ろうと近寄れば、私に気づいた大先生がこっちこっちと手招き。
「お疲れさん。ほら座りいや」
「え？私もう帰るつもりで、」
「大先生がお前のシフト終わりまで待つとか言うて聞かへんねん。付き合ってくれや」
「ちゃうでAちゃん。こいつも待つ気満々やったで」
「おま、おい！余計なこと言うな！」
軽快に弾む会話を2人の顔を交互に見ながら呆気にとられて聞いていると、なんだかおかしくてクスリと笑ってしまう。
それからお言葉に甘えて、場所を詰めてくれた大先生の隣に腰を下ろした。
飲み物を頼んで改めて3人で乾杯し、ふと気になったことを聞いてみる。
「そう言えば…2人ってどういう繋がりなの？」
「あぁ、高校から一緒やってん。今は俺ら2人同じ大学なんよ」
聞けば、ゾムくんトントンくんコネシマくん大先生の4人で同じ高校だったのだそう。進学を機にそれぞれの大学へ進んでからも、度々会うことが多いそうで。
「へぇー…仲良しだね」
「腐れ縁なだけや」
ぶすくれるコネシマくんにふふっと笑みがこぼれる。
羨ましいな、と思った。高校にして競争社会だった女子高時代、私には友達と呼べるほど仲のいい友人もいなかった。周りはみんなライバルで、どこを向いても敵意丸出しの視線だらけだったあの頃を思い出すだけで息が詰まりそう。
だから、学校終わりに意味無く教室で駄弁ったり、特別な理由なく一緒に帰れたり、放課後どこかでお茶するような飾らないその関係性が、私には羨ましかった。
「じゃあ、そんなAちゃんの一番最初の友達がゾムさんてわけか……ええんか悪いんか、」
肩を竦める大先生。うちのゾムがお世話になっとります、なんて言われ、こちらこそです、と笑い合う。
ゾムくんには、本当にお世話になりっぱなしだ。
私が羨むその関係性をあっさりと全て実現させてくれたのは、他でもないゾムくんだったから。
トントンくんもそうだけど、ゾムくんもまた私の知らない世界を見せてくれた人に他ならなかったのだ。
そのトントンくんと引き合わせてくれたのもゾムくんだし、私はこれからもずっと彼には頭が上がらないだろう。
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猫 - 主さんの語彙力がありすぎてめっちゃ物語を楽しめました！ 好みすぎる物語でキュンキュンしながら読み進めて1時間足らずで読み終えました！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月31日 0時) (
レス) @page43 id: 2d8f825918 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 夢主ちゃんが純粋すぎてかわよ、、、zmニキのメッセージ直球wwwむっちゃ面白かったです！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - jiruさん» いつもありがとうございます( ´ ` *)そう言っていただけるとすごく励みになります、嬉しいです（ ; ; ）最後までお付き合いありがとうございました！新作も遊びに来ていただけたら嬉しいです( ´ ` *) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
jiru(プロフ) - 完結おめでとうございます。今回の作品も楽しませてもらいました！素敵な作品をありがとうございます。ゆららさんの作品はほんとに大好きなのでこれからも、楽しんで読ませてもらいます！！お体に気を付けてお過ごし下さい。 (2020年3月22日 22時) (レス) id: fc77c998f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - Near(ニア)さん» 完結までお付き合いいただきありがとうございました。次回作も心に留まるようなものを作れるよう精一杯頑張りますので、ぜひ遊びに来てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年3月22日 19時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月1日 0時
