33話 ページ33
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慌てて弁解しようと口を開く。トントンくんにあらぬ誤解をしてもらっては困るのだ。
「コネシマくんは、ほんとにただの友達で…」
「ふぅん、友達やのに顔触ったりするんや」
そんな事されたっけ？と必死に記憶を呼び起こし、そう言えば服の袖で涙を拭ってくれたなと思い当たる。
だけど、素直に泣いてたから涙を拭いてもらいました、と言うのも変な誤解を生みそうで、遂に私は押し黙ってしまった。
「………なんも言うてくれへんの？」
「ちが、！でも、ほんとに友達なの…」
お願い、信じて…と言うように身体を離して彼の目を真っ直ぐ見据えれば、トントンくんは深いため息をついて私の首筋に顔を埋めると、そのまま深く息を吸った。
そのくすぐったいような感覚に思わず身をよじる私を再度抱きしめ、「……分かってんで」と呟いた。
「Aちゃんに彼氏とかおらへんことくらい分かってるよ……大体友達やのに変な事しとるんは俺の方やし、」
言われた言葉の中で、真っ先に『友達』の2文字に反応してずん、と胸が重たくなった。実際友達で間違っていないのだけど、なんとなく線引きをされたような感覚がして、彼に触れてるのにどこか遠くへ行ってしまったような気がした。
「ごめんな…俺、焦ってもうて。シッマと話しとるAちゃん見て、つい誘ってもうてん」
あの時、私に気付かないまま葵さんと図書を出たトントンくんは校内のどこかで私を見ていたのか、となんだか複雑な気分。嫉妬で泣きじゃくる私をよりによって本人に見られていたのかと思うと、心中穏やかじゃなかった。
「はー…あかんわ。もう言うけど、……普通にめちゃくちゃ嫉妬した、」
え、と声がでた。私の心情を言い当てられたのかと思ったけれど、抱きしめる腕に力が籠り、その思考はどこかへ飛んでいった。
だけど、トントンくんは素直に『嫉妬した』と言ってくれた。それなら、私も素直に言うのが道理だろう、と意を決して顔を上げる。
「あの…ごめん。私も、実はそうで……」
「……は？どういう、…」
なんのこと？と訝しげに私を見るトントンくんに、しどろもどろ泳ぐ目で説明した。
「えーとその……、葵さんと……仲良いなぁと思っちゃって」
「あぁ、……葵？」
その口から発せられるその名前にまた胸の底で嫉妬が見え隠れし、目を伏せる。
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猫 - 主さんの語彙力がありすぎてめっちゃ物語を楽しめました！ 好みすぎる物語でキュンキュンしながら読み進めて1時間足らずで読み終えました！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月31日 0時) (
レス) @page43 id: 2d8f825918 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 夢主ちゃんが純粋すぎてかわよ、、、zmニキのメッセージ直球wwwむっちゃ面白かったです！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - jiruさん» いつもありがとうございます( ´ ` *)そう言っていただけるとすごく励みになります、嬉しいです（ ; ; ）最後までお付き合いありがとうございました！新作も遊びに来ていただけたら嬉しいです( ´ ` *) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
jiru(プロフ) - 完結おめでとうございます。今回の作品も楽しませてもらいました！素敵な作品をありがとうございます。ゆららさんの作品はほんとに大好きなのでこれからも、楽しんで読ませてもらいます！！お体に気を付けてお過ごし下さい。 (2020年3月22日 22時) (レス) id: fc77c998f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - Near(ニア)さん» 完結までお付き合いいただきありがとうございました。次回作も心に留まるようなものを作れるよう精一杯頑張りますので、ぜひ遊びに来てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年3月22日 19時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月1日 0時
