4話 ページ4
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率直に言うと、私は男性経験に乏しかった。
と言うのも、中高一貫の女子高に通っていたため、これまで男の子との接点がまるでなかったのだ｡
ところが、いざ女子高のしがらみから逃れ普通の共学校へコマを進めれば、待っていたのは登校初日からゾムくんのナンパである。警察に通報しなかっただけありがたく思ってほしい。
とはいえ持ち前のゾムくんの人当たりの良さ(広義)に私はすっかり彼に心を許してしまい、今では唯一本音を話せる仲になってしまったのだった。
________そんな私が。
「Aって俺以外の男と会話出来たんやな…」
「だって、もっと話してみたかったんだもん」
授業の席順以外で男の子との距離感1m以内に入ったことの無いこの私が。
あろう事か、ほぼ初対面の男の子をご飯に誘ってしまったのである。
直感だった。なんとなく、初対面以来もう会うことはないだろうと思っていたのに、この広い学校でばったりと会ってしまったのだ。
「なに？好みの顔やったん？」
「かっこいいとは思うけど、そうじゃなくて」
どちらかと言えば、ゾムくんより優しげな眼差しのトントンくんのほうが好みではあるけれど、それは今は伏せておこう。
けれど、それすらも私の突飛な行動を説明するのには十分過ぎる理由になり得た。
「じゃあ、なんで？」
興味津々、と言った目で私を見るゾムくんに、喉元出かけた言葉を言おうか言わまいかと口の中で転がす。
要するに、白馬の王子様思考なのだ、私は。
生粋の女子高育ちの私は、初めての共学で見るもの全てが新鮮だった。
規律正しい行いを求められ、風紀の乱れは許されない。そんな拘束にも似たそれの洗礼を受けまくっていた私は、正に『与えられたことの無い刺激』にめっぽう弱かったのだ。
「……ゾムくん、笑わない？」
「？笑わへんけど、」
運命、なんてこのご時世で風化しつつあるこの言葉を、夢見る女の子なんて歳ではなくなってしまった私が口にしたら、優しい彼は一体どんな顔をするだろう。
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猫 - 主さんの語彙力がありすぎてめっちゃ物語を楽しめました！ 好みすぎる物語でキュンキュンしながら読み進めて1時間足らずで読み終えました！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月31日 0時) (
レス) @page43 id: 2d8f825918 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 夢主ちゃんが純粋すぎてかわよ、、、zmニキのメッセージ直球wwwむっちゃ面白かったです！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - jiruさん» いつもありがとうございます( ´ ` *)そう言っていただけるとすごく励みになります、嬉しいです（ ; ; ）最後までお付き合いありがとうございました！新作も遊びに来ていただけたら嬉しいです( ´ ` *) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
jiru(プロフ) - 完結おめでとうございます。今回の作品も楽しませてもらいました！素敵な作品をありがとうございます。ゆららさんの作品はほんとに大好きなのでこれからも、楽しんで読ませてもらいます！！お体に気を付けてお過ごし下さい。 (2020年3月22日 22時) (レス) id: fc77c998f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - Near(ニア)さん» 完結までお付き合いいただきありがとうございました。次回作も心に留まるようなものを作れるよう精一杯頑張りますので、ぜひ遊びに来てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年3月22日 19時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月1日 0時
