27話 ページ27
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次の日、講義室へ入ろうとしていた私の腕を引っ掴んで引き止めたのはゾムくん。
そう言えば昨日、「先に帰る」なんて言って別れちゃったんだっけ。
きっとその事について何か言われるのかと口を開こうとすれば、
「昨日シッマに会っとったってほんまか？」
「え？」
驚いたような、焦ったような、とにかく凄い形相でそんなことを言ったゾムくん。
なんで知ってるの？なんてそれに反してのんびりとそう言えば、シッマが言うてきてん、と。
「昨日、先帰るとか言うし珍しいなと思っとったらよりによってシッマと密会しとってんな……」
「言い方！語弊！」
含みあるその言い方に慌てて異を唱えれば、意地悪く笑われる。
「シッマがそれとなく理由言っとったから分かってんで。まぁ最初聞いた時は乗り換えたんかと思って焦ったけど」
「乗り換えるって…コネシマくんにもトントンくんにも失礼じゃん」
苦笑いでそう返せば、何故かしょんぼりとした顔でむくれるので首を傾げると、口を尖らせたゾムくんはブツブツと言葉を紡いだ。
「……A、俺にはなんも言うてくれへんかったのに、先にシッマに相談しててんや」
「あ、それは……」
じとりと私を見るゾムくんからフラフラと視線を彷徨わせる。
だってゾムくんは、トントンくんとも葵さんとも仲がいいから。あの場で葵さんに嫉妬して惨めになったから帰ります、なんて本当のことはとても言いづらかった。
けれど、今までなんでも1番に報告して相談に乗ってもらっていたゾムくんを蔑ろにして他の人を頼ったことに、私も確かに罪悪感は感じていたのだ。
途端ゾムくんもそれを気にしていたことに申し訳なくなり、素直に謝る。
「ええで？シッマに聞いたからなんとなく理由は分かってるし。でも忘れんでや？」
「？何を、」
「Aの1番の友達は、俺やから。彼氏出来たら1番に報告せんと許さへんで」
大真面目な顔でそんなことを言われ、嬉しいやら恥ずかしいやらで何も言えない私。
そのまま固まっていれば、真面目な顔がぷっと吹き出した。
「照れてんの？可愛いとこあるやん」
「ち、ちが…！だって！」
「あーほんまかわいいわー。やっぱり俺と付き合わん？」
「嫌！」
すっかりいつもの調子のゾムくんに安堵しつつ、やっぱりゾムくんは友達として付き合うのが1番居心地がいいなと再認識した。
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猫 - 主さんの語彙力がありすぎてめっちゃ物語を楽しめました！ 好みすぎる物語でキュンキュンしながら読み進めて1時間足らずで読み終えました！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月31日 0時) (
レス) @page43 id: 2d8f825918 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 夢主ちゃんが純粋すぎてかわよ、、、zmニキのメッセージ直球wwwむっちゃ面白かったです！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - jiruさん» いつもありがとうございます( ´ ` *)そう言っていただけるとすごく励みになります、嬉しいです（ ; ; ）最後までお付き合いありがとうございました！新作も遊びに来ていただけたら嬉しいです( ´ ` *) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
jiru(プロフ) - 完結おめでとうございます。今回の作品も楽しませてもらいました！素敵な作品をありがとうございます。ゆららさんの作品はほんとに大好きなのでこれからも、楽しんで読ませてもらいます！！お体に気を付けてお過ごし下さい。 (2020年3月22日 22時) (レス) id: fc77c998f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - Near(ニア)さん» 完結までお付き合いいただきありがとうございました。次回作も心に留まるようなものを作れるよう精一杯頑張りますので、ぜひ遊びに来てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年3月22日 19時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月1日 0時
