18話 ページ18
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「Aちゃん……立てる？」
「…うー……だいせんせ、」
数時間後、私はすっかり酔いが回っていた。
調子に乗ってグラスを何本も空けてしまい、飲め飲め！とノリよく注がれるアルコールを律義に全部飲み干した結果、この始末。
隣の大先生に完全にしなだれかかり、店の外へ出ても身体を支えてもらわないと自立できないでいた。
「電車で帰られへんやろ？タクシー呼ぼか？」
「珍しいやん、何でそんななるまで飲んでん？」
優しく響く大先生の声と、しゃがんで俯く私の背中をさするゾムくん。
嫌なことがあったら飲んで忘れる、という言葉通りの事をしようとしてしまった私は、何も説明できるわけもなく、働かない頭を必死に動かしてこの場を切り抜ける言葉を探す。
「大丈夫……タクシー、呼べる、」
「呂律回ってへんAには無理やって、俺やったるから｣
｢大丈夫だから……ほら、ゾムくんは2軒目行きなよ、」
「一丁前にそんな心配せんでもええねん」
ピシャリと言い放たれ、フラリとぐらついた身体を慌てて大先生が支えてくれた。
「ゾムさんあかんわ、タクシー呼んでや。俺送ってくわ」
「あー……でも大先生かぁー…」
「言うとる場合ちゃうやろ」
2人が言い合っているのも他人事のように頭の中で響く。ゾムくんがタクシーを呼ぶために電話をかけているのを視界の端に捉えた時、突如大先生と逆の方向にグイッと身体が引っ張られた。
「俺が送る。大先生Aちゃんの家知らんやろ？」
「あぁ…そういやトンちこないだ送ってったんやっけ？｣
「お前らが茶化したせいでな」
肩を抱かれてふわりと香ったトントンくんの香りに包まれて、酷く安心してしまった自分が居ることに驚いた。
葵さんはいいのかな、とか、この間送ってもらったのは駅までだった、とか
トントンくんが触れている部分が異様に熱い、とか。
働かない頭は色んなことが起こっているのに整理ができず、私は焦りもせずただ近くにトントンくんが来てくれたことに安心してしまっていたのだった。
「タクシー呼んだで。トントン、A頼むわ」
「おん。じゃお前らはよ行け」
「しゃーなしや、今回は譲ったるわ」
ゾムくんと大先生がニヤニヤと笑みを浮かべながら去っていくのを気配で察知して、大先生も私のこといじるようになったっけ？と頭の片隅でぼんやりそう思った。
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猫 - 主さんの語彙力がありすぎてめっちゃ物語を楽しめました！ 好みすぎる物語でキュンキュンしながら読み進めて1時間足らずで読み終えました！ 素敵な作品をありがとうございます！ (2022年3月31日 0時) (
レス) @page43 id: 2d8f825918 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 夢主ちゃんが純粋すぎてかわよ、、、zmニキのメッセージ直球wwwむっちゃ面白かったです！ (2020年5月26日 5時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - jiruさん» いつもありがとうございます( ´ ` *)そう言っていただけるとすごく励みになります、嬉しいです（ ; ; ）最後までお付き合いありがとうございました！新作も遊びに来ていただけたら嬉しいです( ´ ` *) (2020年3月22日 22時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
jiru(プロフ) - 完結おめでとうございます。今回の作品も楽しませてもらいました！素敵な作品をありがとうございます。ゆららさんの作品はほんとに大好きなのでこれからも、楽しんで読ませてもらいます！！お体に気を付けてお過ごし下さい。 (2020年3月22日 22時) (レス) id: fc77c998f4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - Near(ニア)さん» 完結までお付き合いいただきありがとうございました。次回作も心に留まるようなものを作れるよう精一杯頑張りますので、ぜひ遊びに来てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年3月22日 19時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年3月1日 0時
